なでしこ再び頂点へ。準決勝で表れた「2つの変化」 (2ページ目)
今大会で、最も日本が自らの良さを消された試合となった準決勝。前半からイングランドの攻勢に主導権を握ることができない。徹底して長身のスコットに当て、DF裏のスペースを狙うイングランドの攻撃は決して難しいものではないが、そのプレイひとつひとつの精度が高い。"特長がない"のではなく、"高精度のシンプル"といったところか。
わかっていてもスコットにボールが入るのを止められない。高さだけでなく、スピードも兼ね備えたMFスコットに翻弄された立ち上がり。マッチアップしていた鮫島彩(INAC神戸)は、ボランチの宇津木瑠美(モンペリエHSC)とサイドハーフの宮間あや(湯郷ベル)との距離感を縮めて複数枚で何とか対応する。ボールポゼッションでは数字こそ日本が上回っていたが、中盤を飛ばすロングボール攻撃に、得意の前線からのプレスはかからず、クリアボールもセカンドが拾えずに日本は苦しい展開に陥っていた。
そんな中で生まれたのが阪口夢穂、有吉佐織の日テレ・ベレーザコンビからのビッグチャンスだった。阪口からのロングフィードに抜け出した有吉。ボールをおさめたとき、すでにゴールまでの視界は開けていた。結果、後追いのDFラファティに倒され、PKをもぎとった。
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