W杯ベスト8へ。いい距離感が生んだ新たな「なでしこスタイル」 (4ページ目)
しかし、後半に攻め込まれる時間帯を切ることができない課題は依然として残ったまま。70分過ぎには自陣から抜け出せなくなった。初戦から陥っているパターンにやはりこの日もハマってしまう。76分には海堀あゆみ(INAC神戸)のファインセーブで難を逃れるが、立て続けに攻め込まれる。たまらず指揮官は80分に澤穂希(INAC神戸)を投入し、今大会初めて宇津木をアンカーに据える4-1-4-1システムを導入した。
澤の摘み取り嗅覚はこの形でも光り、「セカンドボールを拾えていたところもあったし、澤さんのところでフリーで受けれた部分もあったので、時間帯によっては上手く使っていければ、押されてる時間を自分たちが打開できるかもしれない」と大儀見は手応えを口にした。
オランダが日本を封じようとせず、自分たちのスタイルで勝負する道を選んだからこそ、主導権を握れた面もあり、終了間際の失点を含めて、必ずしも完勝とは言えない。それでも今、なでしこたちは確かに自分たちの新たなスタイルを掴みかけている。
次なる相手は強豪・ブラジルを撃破し、乗りに乗っているオーストラリア。互いに知り尽くしたもの同士、30℃にもなるエドモントンのデーゲームで、いかにして戦うか。この試合こそが、なでしこジャパンの真価が問われる一戦となりそうだ。
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