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ハリルJのサッカー実現には、「アンカー・本田圭佑」が最適 (2ページ目)

  • photo by Yamazoe Toshio

香川真司なくしてハリルJのサッカーは実践できない
鈴木良平(解説者/元ビーレフェルトコーチ、日本女子代表監督など)

鈴木良平氏が選出した「ベスト11」。鈴木良平氏が選出した「ベスト11」。 世界のサッカーは今、スペイン・バルセロナが築いたポゼッションサッカーの時代が終わりを告げ、ハイプレスからのカウンターサッカーが主流となっている。昨年のブラジルW杯を見てもそれは明らかで、ハリルホジッチ監督も、そんな世界の最先端のサッカーを志向している。

 選手に求められるのは、ボールを奪ったあとの縦への速さと、ボールを奪われたあとの、素早く奪い返す守備力と球際での強さ。そして、チームとして機能するには、ボランチとトップ下が重要な役割を担うことになる。

 ボランチは、ボール奪取力はもちろんだが、奪ったボールをどれだけ速く縦に、前につなげられるかが、何より重視される。適役なのは、長谷部誠、細貝萌、青山敏弘、山口蛍あたり。彼ら4人が競争して、最もいい人選にしていけばいいだろう。

 トップ下は、香川真司。彼しか考えられない。

 縦に速い攻撃サッカーを実践するには、奪ったボールをいかに速く、手間隙かけずにラストパスを出せる選手がいるかどうか。相手のペナルティーエリア内や、敵からの厳しいプレッシャーを受ける中で、いかに1タッチ、2タッチで攻撃を組み立てられる選手がいるかどうかが、カギとなる。それができるのは、日本では香川だけだ。

 マンチェスター・ユナイテッドでは結果を出せなかったものの、香川は日本以上に欧州での評価が高い選手。というのも、狭いエリアでクリエイティブなプレイができて、現在主流となるカウンターサッカーの前線で起点になれるからだ。香川を中心に考えなければ、ハリルホジッチ監督が目指すサッカーは実現できないと思っている。

 中盤から前線にかけては、それなりに人材はいるものの、日本にとって最大の弱点はセンターバックとGK。正直、ハリルホジッチ監督が求めることを満足にできる選手は誰もいない。森重真人がぎりぎり及第点を与えられるかどうか。

 センターバックは、守るだけでなく、今やそこから前線に展開できるだけのパス能力が求められる。GKも同様だが、このポジションは守備力も含めて、世界との実力差があまりにも大き過ぎる。日本は、センターバックとGKを育てていかなければ、いつまで経っても世界では勝てないだろう。 

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