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国際性と説明責任。日本サッカー協会5つの問題点 (4ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • photo by Getty Images

 川淵さん、そして原さん。代表監督探しを協会という組織ではなく個人の力に頼っているところに問題の根はある。このやり方を続けていると、人も組織も育たない。なにより協会そのものに国際性が生まれない。

 協会内に必要不可欠なのは、いまの世界のサッカー界に目を凝らす組織だ。一流の記者より優れた外交官的なセンスのある人材を、世界の各所に何人送り込めているか。世界のサッカー地図に照らせば、日本は極東という辺地に位置する島国だ。そうした危機意識が、日本のサッカー協会には決定的に欠けている。地理的ハンディに対する備えができていない。そこに資金が投下できていない。これこそが、日本サッカー界が右肩下がりに転じようとしている最大の理由だと僕は思う。

(2)ファンの知る権利に答えていない

 日本サッカー協会が主催する大会に出場しようとすれば、登録選手は協会に登録料を支払う義務が生じる。女子サッカー、フットサル、ビーチサッカーしかり。審判もこれに含まれる。子供からシニアまで、サッカー人口にカウントされるほぼ全ての人がその対象。それが、日本サッカー協会の大きな財源になっている。

 これは他の競技の協会にはない手法だ。かつて、この日本サッカー協会のやり方にならおうとした他の協会もあったが、反対にあい上手くいかなかったという経緯もある。登録料の支払いは、ほぼサッカー界に限られた話。そう言っていい。サッカー協会は、登録料という名の「税金」を、サッカー人口を構成する人々から、無条件で徴収する仕組みを築き上げた特殊な団体なのだ。

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