国際性と説明責任。日本サッカー協会5つの問題点 (5ページ目)
代表戦が行なわれるスタジアムは常時、ほぼ満杯。視聴率も悪くない。グッズなどの売り上げもしかり。日本のサッカーは、多くのファンがお金を落としてくれるために成り立っている。巨額なスポンサー料もそれあってのもの。
そこのところがどうも忘れられている気がする――とは、アギーレ解任を伝える報道を見聞きしながら思ったことだ。
契約期間内での解任には通常、巨額な違約金が発生する。だが、大仁邦彌会長は、記者の質問に答える形でこう述べた。
「違約金というものは存在しない」
もし、違約金という名目で支払われなかったとしても、示談金など、他の名目で支払われた可能性はある。
スペインで検察当局の告発が受理されたとは、あくまでも、捜査を始めても構わないという合図だ。シロなのかクロなのか、いまは全く分からない状態にある。アギーレが不祥事を起こしたという事実は、いまのところ明らかになっていない。シロだったら、アギーレに落ち度は何もないことになる。その可能性を十分に残した中で、アギーレは解雇された。コーチ共々、だ。そこに違約金なのか示談金なのか定かではないが、常識的には手切れ金が一銭も掛からないはずがない。
大仁会長は「守秘義務があるので、それ以上は申し上げられない」と述べたが、少なくとも登録料という名の「税金」を収めている人たちは、知る権利があるのではないか。日本サッカー協会はアギーレにいくら払ってお引き取り願ったのか。体裁を守るため、臭いものに蓋をするために、いくら費やしたのか。
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