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今野と豊田はアギーレ監督の「こだわり」に応えられるか (2ページ目)

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • 牛島寿人●撮影 photo by Ushijima Hisato

 GK川島永嗣(スタンダール・リエージュ/ベルギー)、DF吉田麻也(サウサンプトン/イングランド)、森重真人(FC東京)、FW岡崎慎司(マインツ/ドイツ)、本田圭佑(ミラン/イタリア)の5選手は、当面のチームの軸になると考えていいだろう。彼らがアギーレ監督から厚い信頼を寄せられているのは間違いない。

 加えて、DF太田宏介(FC東京)、塩谷司(サンフレッチェ広島)、MF柴崎岳(鹿島アントラーズ)、FW武藤嘉紀(FC東京)といった新顔も代表定着への足場を固めている。おそらく戦力確保にメドが立ち、すでに選手選考が終了したポジションも少なくないはずだ。

 しかしその一方で、これまでの4試合を振り返ったとき、決定的な人材を見定められなかったポジションもある。4-3-3の基本布陣における、3トップの真ん中を担うセンターフォワード(CF)と、中盤の底を務めるアンカーだ。

 アギーレ監督の初陣で、186cmの皆川佑介(サンフレッチェ)が抜擢されたのをはじめ、これまでCF候補には、182cmの大迫勇也(ケルン/ドイツ)、194cmのハーフナー・マイク(コルドバ/スペイン)と、大型選手が招集されてきた。だが、いずれも定着には至らず、他のポジションのように軸となる選手が浮かび上がってくることはない。指揮官の模索が続いている様子がうかがえる。

 そこで注目されるのが、今回選出された豊田である。

 直近のブラジル戦では岡崎がCFに起用され、機動力を生かした巧みなボールキープを見せたことで、「CF=岡崎」の結論に至るかに思われたが、豊田を新たに加えたことを考えると、アギーレ監督はやはり大型CFへのこだわりを捨ててはいなかったようだ。指揮官は期待を込めてこう語る。

「豊田はパワフルで空中戦に強い。岡崎とは違った特徴があり、違った攻撃ができる。チームの攻撃(パターン)が豊富になる」

 サガンで好調を維持する豊田は、先日(第31節/11月2日)のヴィッセル神戸戦で2ゴールを挙げ、チームを逆転勝利に導くとともに今季得点ランキングでもトップ(15点)に並んだばかり。絶好のタイミングでの代表復帰には、本人も「待ってました」の気分だろう。ここで、豊田が指揮官の希望に沿う「一発回答」を提示できれば、今後の構想の軸に据えられる可能性も十分にある。

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