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今野と豊田はアギーレ監督の「こだわり」に応えられるか (3ページ目)

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • 牛島寿人●撮影 photo by Ushijima Hisato

 同じことは、アンカーにも言える。

 9月の2試合(ウルグアイ戦0-2、ベネズエラ戦2-2)では、いずれも森重がアンカーに起用され、攻守両面で及第点という結果を残したが、10月の2試合(ジャマイカ戦1-0、ブラジル戦0-4)では、細貝萌(ヘルタ・ベルリン/ドイツ)、田口泰士(名古屋グランパス)が起用されるも、今ひとつ。森重を手薄なセンターバックに回さざるをえない状況の中、アンカーにはこれといった人材を見つけられていないのが現状なのだ。

 中盤の底で相手の攻撃を食い止め、状況によってはDFラインに下がる。そこではセンターバックにもなれるだけの強さと高さが必要なうえ、マイボール時には的確にボールをさばき、攻撃の起点になれなければならない。

 そんな厳しい条件に適う選手を探す中で、アギーレ監督が白羽の矢を立てたのが、今野だったというわけだ。

 アギーレ監督が将来性を重視し、若手主体の選手選考をしてきたことを考えれば、31歳のボランチの選出は少々意外ではある。だが、今野は元々、ボール奪取に優れたボランチとして名をはせた選手。その後は主にセンターバックとして代表に定着し、178cmながら空中戦にも強く、低い位置から攻撃を組み立てるフィード能力では吉田をもしのぐ。現在、ガンバでは再びボランチを主戦場としており、まさに指揮官が考えるアンカーに適任の選手なのだ。

 アギーレ監督が特にこだわりを見せ、人選が難航してきたふたつのポジション。はたして今野と豊田は、指揮官の悩みを吹き飛ばす“救世主”となれるだろうか。

「アジアカップへ向けて直接選手を見る最後の機会。初めて直に見る新たな選手を呼べたのはうれしい」

 アギーレ監督がそう語る2014年最後のテストマッチ。ふたりの復帰組に注目したい。

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