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屈辱のW杯。吉田麻也が痛感した「日本の弱点」 (3ページ目)

  • 佐藤 俊●文 text by Sato Shun
  • photo by JMPA

 さらに吉田は、あらゆるポジションの選手が海外に出て、厳しい環境の中でプレイしないといけないという。

「今、海外でプレイしている選手は中盤が多いけど、これからはストライカー、ゴールキーパー、そしてセンターバックの選手がもっと海外でプレイするようにならないといけない。すべてのポジションに海外で活躍する選手がいれば、どんな大舞台であっても普段どおり戦えると思う。今回の初戦のコートジボワール戦、僕はすごく緊張したんですけど、そこでも勇気を持って戦えたと思うんで」

 初めてのW杯で、吉田はつらく、痛い経験をした。そして、W杯で勝つことの難しさを知った。しかし彼は、まだ25歳である。これから所属クラブに戻って、さらに経験を積んで、4年後のロシアW杯でリベンジを果たせばいい。

「今回のW杯の反省としてあるのは、欧州でプレイをしていても、僕を含めてクラブで試合に出ていない選手が多かったこと。選手はまず、コンスタントに試合に出ることが最優先だと思います。そこで、欧州の高いレベルの選手と毎週試合をする。そうして、欧州の選手の成長スピードについていくのはもちろん、それを追い越すぐらいの感覚で成長していかないと、世界との差は縮まらない。当たり前のことだけど、(欧州の)クラブで試合に出ることが、個人の成長にも、日本代表を強くしていくうえでも、すごく大事だと思います」

 W杯を経験したことで、身につけるべきもの、やらなければいけないことが明確になった。日頃から「難しい問題に直面したほうが成長できる」とポジティブな姿勢を貫く吉田なら、その“宿題”にも前向きに取り組んで、彼の今後にもプラスに作用するだろう。そうして成長した彼が、これからの代表でリーダーシップをとっていく存在になっていかなければいけない。

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