2014.07.11

前園真聖が語る「本田圭佑と中田英寿との違い」

  • 川端康生●構成 text by Kawabata Yasuo
  • 藤巻 剛●撮影 photo by Fujimaki Goh

「すごく努力してきたと思いますよ。ここまで来るのに」

 それが、前園真聖氏の第一声だった。引退からおよそ10年。自分と入れ替わるように現れた本田圭佑を、ピッチの外からつぶさに見つめてきたからこそ、その成長ぶりには目を見張るものがあるようだ。

日本代表の新旧エース、本田圭佑と中田英寿について語る前園真聖氏。 本田はもともとすごくテクニックがあるわけでもないし、スピードもありませんでした。2008年北京五輪のときもチームの"駒"のひとつという感じで、特別な選手ではなかった。しかも結果は3連敗(0-1アメリカ、1-2ナイジェリア、0-1オランダ)。本田だけではありませんが、あの大会では世界を相手にまったく歯が立ちませんでした。

 でも、オランダ(VVVフェンロ)でプレイするうちに、彼は大きく変わりました。一番はやはり、ゴールへの意識が強くなったこと。ゴールを決めるためにドリブルで仕掛けていくようになった。それまでは周りを使うプレイが中心で、自分で突破していく場面はそれほど見られませんでしたから。

 そんなふうに自ら仕掛けていくためには、相手に走り勝たなければいけません。そのために本田は、相当なトレーニングを積んだはずです。そうしてスピードが上がり、当たり負けしない身体の強さを手に入れたことで、彼のプレイの幅がとても広がりました。それでも、2010年の南アフリカW杯を迎える時点では、まだ日本代表の中心というような存在ではありませんでした。あのときの代表は"中村俊輔のチーム"でしたからね。