前園真聖が語る「本田圭佑と中田英寿との違い」 (3ページ目)

  • 川端康生●構成 text by Kawabata Yasuo
  • 藤巻 剛●撮影 photo by Fujimaki Goh

 そして、結果を出すことで、自然とボールが集まってくるから、さらにいいプレイをすることができるようになる。大会が進んでいくにつれて、存在感がどんどん大きくなっていき、デンマーク戦(3-1)あたりでは彼自身も自信に満ちあふれていました。そうなると(1点目の)FKも入るし、(3点目の)岡崎慎司のゴールをアシストしたような余裕のあるプレイも出てきます。

 その後の彼の存在感についてはご存じのとおりです。今回のW杯に際しても「優勝」という言葉を彼は口にした。そんなことを言った選手は過去にいませんよ。

 もちろん、それを聞いたとき、初めは「さすがに無理だろう」と思いました。でも彼がそう言って、周りの選手もそれに呼応した。ついには、チーム全体がそんな意識を持ってやっているのを見ているうちに、「もしかしたら本当にやってくれるんじゃないか」と、僕らの意識まで引き上げられた。

 結果的には実現しませんでしたが、でも彼の言葉の持つ力はすごかった。プレイだけでなく、本田が発する言葉やメッセージが、チームに強い影響力を与えてきたし、また彼自身、それを意識して言葉を発していると思います。

中田英寿」の名前を前園氏が口にしたのは、そんなふうに本田の影響力について語っているときだった。「チームの中での存在感と、発言が注目されるという意味ではヒデと似ているかもしれませんね」と。

 しかし、「立ち位置は似ていますが、でも......」と話は続く。

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