前園真聖が語る「本田圭佑と中田英寿との違い」 (2ページ目)
ところが、大会直前の戦術変更で本田が抜擢されることになった。そして、初戦のカメルーン戦(1-0)でゴールを決めるわけです。このことをラッキーだと思う人もいるかもしれませんが、僕はそうは思いません。だって普通はできませんよ。それまでやったことのない1トップを突然「やれ」と言われてできるものじゃない。
でも彼は、見事にやって見せました。きっと、自分が何をしなきゃいけないのか、その役割を明確に理解していて、どういうプレイをすればいいか、具体的にイメージできていたんだと思います。だとしてもなかなかできるものじゃないですが、彼はそのイメージを実際にプレイで実践した。
もしカメルーン戦のあの(先制)ゴールがなかったら、あの試合を勝つことはできなかっただろうし、あの大会でベスト16に進むこともなかったと思います。そして、本田の未来も違っていたかもしれない。キープ力をはじめとしたプレイ面と、戦術理解も含めたメンタル面の両方で準備ができていたからこそ、彼はチャンスをモノにすることができたわけです。
特に感じるのは、精神的な部分ですね。突然の抜擢ではあったけど、プレイについてだけでなく、自分がチームの中心になっていくようなイメージを彼はもともと持ってゲームに臨んでいたと思います。だからチャンスがめぐってくるし、そのチャンスをモノにすることもできる。
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