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工藤壮人が明かした「W杯メンバー発表という重圧」 (6ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 長田洋平/アフロスポーツ●写真 photo by Nagata Youhei/AFLO SPORTS

「欧州チャンピオンズリーグの中継があるときは、私も一緒に起きて二人で見ようと思うんです!」

 新妻とは、初々しいものである。

「でも、マサは目覚ましを何度もかけたのに起きないことも多くて(笑)、私は目覚ましで起きちゃうと眠れないんです。それで先日は携帯サイトで彼の記事を見ていたら、『ザックは岡崎の2番手探しに奔走!』みたいな記事を見つけてしまって。それが彼じゃなかったから、ショックでまた寝られず(苦笑)。

 妻としては、マサが1点入れたら負けてもふさぎ込むことはないですが、点を入れられないとずっと負けている気分になります。でも、彼はこれまでそうやってぎりぎりの勝負を乗り越えてきました。だからやっぱり、“マサなら大丈夫”って私は信じていられるんです」

 彼女はそう言って黒い瞳を輝かせるのだった。

 2014年5月6日、ベストアメニティスタジアム。第12節、工藤は同じW杯メンバーを争う豊田陽平を擁するサガン鳥栖戦で、24歳のバースデーを迎えている。5月12日のメンバー発表まで1週間を切った。

「12日、俺はどこにいて、どうやってその知らせを聞くんでしょうね?」

 工藤は少年が心を弾ませるように話す。

「いつものように事前に連絡はないと思いますので。自宅で嫁とテレビ放送を見ているのか。選ばれたら会見がクラブハウスであるんでしょうから、やっぱりクラブハウスで待機する感じか。分からないですね」

 それは運命の日になる。どんな結果だったとしても。その日を境に、工藤はもう今までの工藤ではいられない。

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