2014.02.14

今野泰幸「W杯は初戦から全力。そして最後は『大和魂』で勝負」

  • 佐藤 俊●文 text by Sato Shun
  • 益田佑一●撮影 photo by Masuda Yuichi

ブラジルW杯まで118日
『ザックジャパンの完成度』
連載◆第29回:今野泰幸

 昨年6月のコンフェデレーションズカップ(以下、コンフェデ)で3連敗を喫して、8月のウルグアイ戦で2-4と大敗したあと、今野泰幸は「日本代表(でのプレイ)が楽しめなくなった」と漏らした。

 失点が続き、勝てない中、自らのプレイも精彩を欠いていた。自分の思いどおりにいかない現状に、気持ちをポジティブに持っていくことができなかったのだ。追い討ちをかけるように、10月の欧州遠征ではセルビア(0-2)、ベラルーシ(0-1)相手に連敗。今野の気持ちはさらに追い込まれていった。

オランダ、ベルギー相手に結果を出しても「満足していない」という今野泰幸。 しかしその1カ月後、苦戦必至と言われたオランダ戦(2-2)とベルギー戦(3-2)を1勝1分けという好結果で終えた。連敗したセルビア、ベラルーシ戦から、修正する時間はそれほどなかったにもかかわらず、チームのパフォーマンスはなぜ上がったのか。オランダ戦前にW杯アジア最終予選初戦のオマーン戦(3-0/2012年6月3日)などの試合映像を見て、改めて戦い方の意識づけをしたというが、その効果も少なからずあったのだろうか。

「そうしたビデオを見たことが直接いい結果につながった、というわけではないですね。選手たちの中に、”個”に走り過ぎるのではなく、僕らのやろうとしているサッカーの原点に帰ろう、という意識があった。すごくいいチームと試合ができるということで、みんなのモチベーションも高かった。それに、それまでの試合で散々負けて、(相手に)ボールを奪われたらすぐに取り返しにいかないと簡単に失点してしまう、という反省があった。そのことをみんながわかっていたので、攻守の切り替えを速くして、全員攻撃、全員守備の意識を持って試合に臨むことができた。

 そして、オランダ戦、ベルギー戦の後半は、相手の良さを出させないくらい、僕らがゲームを支配していた。ボールを回しながら、相手を走らせることもできた。でも、まだまだだと思っている。(オランダ戦もベルギー戦も)公式戦ではないし、(相手は)メンバーが欠けていた。本気じゃなかったし、これでいいとは思っていない。危機感は常にありますよ。ドロ沼の期間がありましたから……」