出場機会の減少は香川真司のプレイにどのような影響を与えるか

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • photo by GettyImages

 2月25日のチャンピオンズリーグ、オリンピアコス対マンチェスター・ユナイテッド戦。後半16分、香川真司は交代選手として久々にピッチに登場した。

6試合ぶりの出場。ケガで欠場したわけではない。体調に問題を抱えていたならいざ知らず、そうではない選手が、これほど出場機会を逸した場合、プレイに影響はどれほど出るのか。

チャンピオンズリーグ、オリンピアコス戦で後半途中から出場した香川真司チャンピオンズリーグ、オリンピアコス戦で後半途中から出場した香川真司 おそらく香川にとっては、サッカー人生において初の経験ではないだろうか。チャンピオンズリーグとプレミアリーグとを合わせた今季の出場時間は、28試合を消化して計1050分。およそ11試合と半分しか試合をこなしていないことになる。

 懸念されるのは試合勘だ。最後にフルタイム出場したのは1月11日のスウォンジー戦。ずいぶん前の話だ。その間、紅白戦はこなしているに違いないが、それはあくまでも練習だ。実戦とは違う。精神の高揚感がまず違う。

 とりわけFW系の選手にとって、これは不可欠なものだ。精神的なノリというヤツだ。紅白戦等では、これを100%全開にして戦うことは不可能に近い。相手がレギュラーチームなら、ナニクソという気は働くだろうが、相手にケガを負わせるわけにはいかない。味方とのコンビネーションもレギュラーチームのようにはいかない。観衆もいない。精神的なノリを全開にしにくい環境にある。

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