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ニュースター・柿谷曜一朗、第1志望はワントップ (2ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki 早草紀子●撮影 photo by Hayakusa Noriko

「(香川)真司くんやったり、本田(圭佑)選手やったり、(長く)代表でやっている選手のようなプレイをいきなりは絶対できないけど、徐々に体が覚えていって、練習や試合を重ねるごとに、っていうのはある。でも、初めての代表で、そんなすべてを求められてないと思うので、今できることを100%できればいいかなと思う」

 東アジアカップの期間中、柿谷自身はそう語っていたが、現時点でできることをすべて出すという点で言えば、十分なプレイを見せたと言えるだろう。8月14日に宮城スタジアムで行なわれるウルグアイとの親善試合をはじめ、今後も柿谷が日本代表に選ばれる可能性は高い。

 さて、そこでポイントとなるのは今後、柿谷をどのポジションで使うのか、ということだ。

 ザッケローニ監督は試合でこそ、柿谷を1トップで起用していたが、トレーニングのなかではトップ下でも使っている。必ずしも「柿谷は1トップ」と決めてかかっている印象はない。以下は、指揮官の柿谷評である。

「元々はトップ下の選手だと聞いているし、視野の広さと技術の高さという点ではトップ下の能力を持っていると思う。だが、一瞬の動きで(相手選手を)かわすことや、(DFラインの)裏を突く動きなど、センターフォワードとしての能力も兼ね備えている」

 そして、「総体的に言えば、セカンドトップタイプの選手」とも語っているが、「時間が経てば両方できる」としたうえで、「現時点ではセンターフォワード(1トップ)で起用している」という。

 こうした発言からうかがえるのは、「必ずしも1トップが最適とは言えないが、できることなら1トップで使いたい」という指揮官の思惑である。

 実際、東アジアカップでもFWの豊田陽平や大迫勇也がいたのだから、彼らを1トップに置き、柿谷をトップ下に起用することはできたはずだ。にもかかわらず、ザッケローニ監督が柿谷を1トップで起用し続けたのは、なぜか(厳密には、韓国戦で豊田が途中出場した後の7分ほどはトップ下に入った)。

 その答えは、日本代表の現状を見れば明らかである。

 現在の日本代表は2列目、すなわち4-2-3-1の「3」のポジションには人材がひしめきあっている一方で、「1」のポジションは極めて層が薄い。現状では1トップの一番手は前田遼一ということになるが、今季はJリーグでも調子が上がらず、絶対的な存在とはなりえていない。

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