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イングランドに引き分け。
澤&宮間不在の中、生まれた新たな可能性 (3ページ目)

  • 早草紀子●文・写真 text&photo by Hayakusa Noriko

 アシストにホッとした表情を見せていた大野も、試合後には「同点にできたことは大きかったけど、前半に決定機を外した責任感もあったし、もっと決める力が必要」と自らを引き締めた。

 それもそのはず。一昨年のドイツワールドカップでは早めのチェックと固いボックスを形成し、なでしこのパスを摘んだイングランド。今回の日本との対決にあたっては自信をのぞかせていた。7月から開幕する女子ヨーロッパ選手権を前に最高の仕上がりを見せていたからだ。

 しかし、この日のイングランドのプレスは想像以上に緩かった。「そこを突けないのが今の日本の実力」とドローに浮かれることのないようクギを刺したのは、この日黒子に徹した大儀見だ。「今日の試合を『出来た』と感じてはダメ。ドイツのプレスはもっとキツい。このイメージで行くとやられてしまう」(大儀見)。指揮官も「及第点ではない」としながらも、「(6月20日の)ニュージーランド戦で出た課題を修正して成長できた」と評価した。

 中二日の強行スケジュールで行なわれるドイツ戦(日本時間29日24時45分キックオフ)では、宮間がピッチに戻ってくることで全く異なる新たな試みが散りばめられるだろう。イングランド戦の課題をしっかりと見極めた上で、ドイツ戦では相手にも、自分たちの新しい取り組みにも恐れを抱くことなく立ち向かってもらいたい。

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