藤田俊哉×名波浩「選手か、監督か。日本代表は何かをガラッと変えるべき」
藤田俊哉×名波浩が分析する
ザックジャパンの進むべき「道」
コンフェデレーションズカップ(以下、コンフェデ)で日本は、ブラジル(0-3)、イタリア(3-4)、メキシコ(1-2)と対戦し、3戦全敗に終わった。この現実をどう受け止めるべきか、世界の強豪国との差はどこにあったのか。そして、ブラジルW杯までのおよそ1年間、日本が本番で結果を出すためには何をやるべきか。サッカー解説者の藤田俊哉氏と名波浩氏に検証してもらった。
「数字に表れない部分でも
世界と日本との差を感じた」
――まず、コンフェデの日本の戦いぶりを振り返って、率直な感想を聞かせてください。
藤田"世界"はやっぱり強いよ。特に(試合を)ブラジルでやるときのブラジルは強過ぎる。(日本が)あんなにやられるとは思わなかった。日本の力も確かに伸びているけれども、世界も伸びているわけで、強豪と言われる国に勝ち切るのは、簡単じゃないよね。それを、改めて実感させられた。
名波 そうだね。その感想に尽きるんじゃないかな。
藤田 ブラジルのプレッシャーなんて、強烈だったでしょ。日本代表の選手が、あんなに慌てている姿を見るのは久しぶりだった。自分らがまだ現役で代表だった頃以来じゃないかな。
名波 ほんと、おどおどしていた。
ブラジル相手に何もできなかった日本。photo by Fujita Masato
藤田 地元のブラジルとしては、下手な試合はできないもんね。その分、本気度がすごかった。それに対して、日本の選手はかなり脅威を感じたんだろうね、単にボールを蹴ってしまったり、普段では考えられないようなパスミスをしてしまったりしていた。
名波 香川(真司)なんか、(ピッチ上で)クルクル回っていた。あれは、ドリブルで突っ込もうとしても突っ込み切れなくて、元に戻るしかなかったからだろうね。
藤田 あの本田(圭佑)にしても、吹っ飛ばされていた。
名波 日本がどれだけできるのか、みんなが期待していたと思うけど、攻撃にしろ、守備にしろ、スイッチが入ったときのブラジルの迫力は、日本の比じゃなかったね。そのうえで、数字に表れない部分のプレイ、相手との駆け引きだったり、プレイの緻密さだったり、そういうところの差をすごく感じた。ボールを運ぶ位置とか、セットプレイの変化とか、細かい部分でブラジルと日本とでは違いがあった。世界のトップクラスは、いろいろなことをやってくるな、と思った。
藤田 また、開始早々とか、終了間際とか、誰もが気をつけなければいけないのはわかっているのに、そこでやられるシーンが目立った。イタリア戦でも、せっかく2点リードしていたのに、前半終了間際にCKから1点を返されて、相手に「いけるぞ!」と思わせてしまった。日本の選手も、決して油断してはいないのだろうけど、世界で結果を出しているチームは、ああいう場面で(点を)決める力があるんだよね。ただ、日本としては、見過ごしてはいけない部分だと思う。イタリア戦のあの失点なんか、もう少し注意していれば、防げたんじゃないかなと思うし、(前半)2-0で終わっていれば、結果も違っただろうからね。
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