遠藤保仁「日本は勝ち切る力がなかっただけ。確実に成長している」

  • 佐藤 俊●文 text by Sato Shun
  • 藤田真郷●撮影 photo by Fujita Masato

ブラジルW杯まで347日
『ザックジャパンの完成度』
連載◆第19回:遠藤保仁

 コンフェデレーションズカップ第3戦のメキシコ戦を終えると、遠藤保仁は淡々と今大会を振り返った。

「オレらは(この大会に)勝ちにきていたし、5試合やるつもりでいたんでね。3連敗は、ほんと残念だし、悔しいなって思います」

 ザッケローニ監督が日本代表を率いて、およそ3年。2011年1月のアジアカップで優勝し、2012年10月の欧州遠征では、地元フランス相手に1-0で勝利した。そして今年、ブラジルW杯の出場権を世界最速で獲得。チームは順調に成長し、結果も積み重ねてきた。

3連敗に終わったコンフェデレーションズカップで遠藤保仁は何を感じたのだろうか。3連敗に終わったコンフェデレーションズカップで遠藤保仁は何を感じたのだろうか。
 迎えたコンフェデレーションズカップ。世界における日本の位置を確認するとともに、1年後のW杯で結果を残すために、世界の強豪相手に勝つことが目的だった。しかし、ブラジルには何もできぬまま0-3と完敗。イタリアには3-4と痛恨の逆転負けを喫し、メキシコには彼らのしたたかな戦い方を前にして1-2で屈した。

「(初戦の)ブラジル戦は、もう完全に力負け。自分らのサッカーができないのもあったけど、個とチームのレベル差をすごく感じた。それでも、強いチームが勝ちにくるときは、こういう戦いをするのかっていうのを、本番前に感じることができたのは大きかった。

 イタリア戦は、序盤から理想的な展開だった。相手(の守備)は中を固めてくるので外から攻めながらも、中にスペースができればそこを突く、というメリハリのある攻撃ができた。テンポよく(ボールを)回せたし、プレスも高い位置から効いていた。ただ、前半終盤の、あの失点だよね。あれで、イタリアに勢いを与えてしまった。2-0で前半を終えていれば、違った展開になっていたと思うんだけど......」

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