遠藤保仁「日本は勝ち切る力がなかっただけ。確実に成長している」 (4ページ目)
しかし今回は、W杯本番の1年前にW杯で勝つためには、何が必要なのかを体感できた。そして遠藤には、それがすでに明確に見えているという。
「これからも、できるだけアウェーの厳しい環境で、強い国と戦って国際経験を積んでいくことが重要だと思う。W杯本番までこういう大会はないけど、その分、親善試合でも意識を高く持ってプレイして、個の質を上げていくしかない。そうして、どんな内容でも勝ち切れる、勝負強いチームにならないと、W杯で日本が世界中に驚きを与えることはできない」
勝てるチームを築くには、攻守における細かいことを突き詰めて、個の質を上げるしかない。そのうえで、組織力を高めていかないと、世界のトップクラスには太刀打ちできない。だが、残り1年で、果たしてどのくらい“個”を高めることができるのか。
「それは、個人の努力次第。これだけ痛い目に合えばやるでしょ、みんな」
遠藤は、何も心配していないと言った表情で、そう言った。裏を返せば、まだまだ個々の努力が足りないということだ。誰も想像できないような成長を遂げるために、自らをどこまで追い込んでいけるのか。遠藤の最後の言葉には、自分自身と仲間への、叱咤と期待が込められている。
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