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【なでしこジャパン】2位狙いを遂行。「どんな手を使っても金を」(丸山) (3ページ目)

  • 栗原正夫●文 text by Kurihara Masao
  • photo by Hayakusa Noriko/JMPA

 一方、64分には左サイドからのスローインに抜けだし、ゴール前の安藤へのラストパスでこの試合最大のチャンスを演出したFW丸山は、こう語った。

「安藤にパスを出したときは、なんで決めないんだよって思ったぐらい。でも、あそこを外して、今はよかったと思う。結果オーライです。もちろんゴールを決めたかったし、勝ちたかったけど、金メダルはどんな手も使わないと取れないと思うし、そういうことも必要。すべてはそこなので、選手も納得してってことです」

 終盤は後方でボール回しをするなど、しっかりと時間を使い、なでしこジャパンはしたたかに与えられたミッションを遂行した(相手の南アフリカも勝ち点1を手にしたいようで、互いに戦いを放棄したかのようにも見えたが……)。

 会場にはなでしこジャパンの戦いを楽しみに多くのファンがやってきたこともあり、この戦いぶりに賛否はあるだろう。あるいは18人の選手のなかにも、異なる意見の者がいたかもしれない。しかし一発勝負のトーナメントを前に、対戦相手や状況を考えて戦略的に打って出るのは至極真っ当なことである。

 対戦相手は予想されたイギリスではなく、そのイギリスに最終戦で0-1と敗れたブラジルに決まった。狙いどおり主力を休ませ、グループGの2位(フランスに確定)との対戦を避けることができ、カーディフにとどまることになったなでしこは、山場の準々決勝を越えることができるか。次戦こそ、本当のしたたかさが試される一戦になる。

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