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【なでしこジャパン】2位狙いを遂行。「どんな手を使っても金を」(丸山) (2ページ目)

  • 栗原正夫●文 text by Kurihara Masao
  • photo by Hayakusa Noriko/JMPA

 81分、迎えた右CK。日本はヘディングが得意の岩清水、熊谷がまったく上がる気配を見せず、エリア内に入っていたのはわずか3人だった。なるほど、ゴールを決めてはならなかったのだ。このとき、同時刻でキックオフしていたスウェーデン対カナダは2-1でスウェーデンがリードしていたが......(最終的にはカナダが追いつき、2-2のドローに終わった)。

「相手はどこでもいいのですが、ここ(カーディフ)に残ることがベストだと考えました。グラスゴーに行くとなると、ヒースロー空港に戻ったりして丸一日、約8時間かかってしまいますので」「スタートから引き分け狙いというわけではなく、最初は普通にやりなさいということでした。ただ、後半途中での(他会場を含めた)経過のなかで、ドローを狙える展開であれば、そういうことでいこうと伝えました」

 佐々木監督は試合後の記者会見で、2位を死守すべくドロー狙いであったことを明かした。

 気になったのは、それをいつの段階で決めたかということだが、佐々木監督は「僕の口から言ったのは今日であり、それは後半途中でのこと」だったとした。ただし「後半20分ぐらいで状況を考えて、引き分けを狙えるようなら狙うと、事前に言ってしまったのは申し訳なかった」と、そのことで選手の戦いぶりに迷いが生じてしまった可能性があることも明かした。

 ミックスゾーンでは、田中明日菜がドロー狙いの策について、どこまでしゃべっていいのか気にするように、こう振り返った。

「最後の方はちょっとやり難さがありましたけど......。やっぱり監督の言うことが絶対というか、その方針でみんなで向かっているので、監督の言うことが正しいと思います。(2位通過を)マイナスには考えてない。(会場を)動かないっていうのはプラスに働くと思います」

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