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【なでしこジャパン】ストロングポイントになりつつある守備陣とGK福元美穂

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • photo by Hayakusa Noriko/JMPA

カナダ戦、スウェーデン戦と、安定した守備を見せた福元カナダ戦、スウェーデン戦と、安定した守備を見せた福元  スコアレスドローで勝ち点1を手にしたスウェーデン戦。強豪相手ではあるが、勝ち切れなかったことに対し、なでしこは不満の表情を見せた。大型で守備的な相手を、得意のパスワークをもってしても崩し切れなかった。かといって、緩急をつけた攻撃を展開できたわけでもなく、攻撃面の課題は残った。

 特に主将の重責を強く感じているのだろうか、宮間あやがいつものプレイをできないでいる。高い技術があるために、不調でもそれを分からせないのがいつもの宮間。だが今回、ミスという形でそれが目に見えてしまうのは、今後に向けて心配な要素だ。南アフリカ戦、格下相手に彼女がリズムを取り戻すことができるかどうか、決勝トーナメントの勝敗、メダル獲得の成否につながる。

 一方で収穫があったのは守備陣だ。岩清水梓を中心に、集中を切らすことなく守り切った。細かくラインをコントロールし、体を張り続けた。

「攻撃に入っている時間帯もあったので、そこで自分も含めて守備陣がおろそかになったらダメ。攻撃のときでもリスク管理だけはしっかりやろうと思っていたので、特にセンターバックに声をかけてリスク管理を行なっていました」

 GK福元美穂は試合後、すっかり枯れてしまった声で話した。ロッタ・シェリンを封じ無失点に抑えたことは、決勝トーナメントに向けて大きな自信になった。

 今大会に臨むなでしこで、最後の最後まで互角のポジション争いが行なわれたのは、唯一GKだった。

 最終ラインから中盤にかけてはW杯メンバーが健在。サブメンバーが必死にレベルアップをしても追いつけないくらい、先発の彼女たちも日々成長している。前線に関しても、少々のポジション争いはあるにしても、対戦相手や調子によって流動的になるのは当たり前だろう。

 だがGKはそうはいかない。チームの軸であり、短期間で変更されることは少ない。

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