【五輪代表】W杯共催から10年。韓国サッカーに見る育成システムのスピード感 (4ページ目)

  • 吉崎エイジーニョ●取材・文 text by Yosshizaki Eijinho
  • photo by AFLO

 韓国の育成世代の現状は、途中段階ながら成果が出ているのだ。

 韓国のクラブユースは、過渡期の方策として"地域の名門高校をプロの傘下に置く"という方法を採っている。チの出身高、クァンヤン製鉄高は地域のKリーグクラブ、チョンナムのユースとしても活動。チは、プロの指導者の下で育った。決してスマートなスタイルではないが、「全クラブが独自のユースチーム保有に至るまでは時間がかかる」という判断があるのだろう。

 今後、合理的指導がより浸透し、インフラや強化システムの整備がより進んでいくはずだ。"スピードある改革推進"。2011年にフル代表が2勝した日本サッカーの優位性は、ひっくり返されかねないという危機感は常に必要だ。

 11日にU-23日本代表と対戦したニュージーランドU-23代表はその足で韓国に向かった。海外チームの"日韓合わせてのアジアツアー"も、すっかり定着してきた。

 7月14日に行なわれるU-23韓国代表対U-23ニュージーランド代表の試合結果は、ライバル韓国と日本、それぞれの育成の現在地と世界での立ち位置を推し量る、ひとつの目安になるだろう。

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