【プロ野球】「おまえはもう球威がない」 星野仙一を切った55歳の新人監督 谷沢健一が回想する中日を変えた"非情の改革" (5ページ目)
「たしかにそういうところはあるけれども、近藤さんの厳しさはそこだけじゃないんです。試合前のミーティングで、名指しで叱り飛ばすような人でね。僕は若い頃、ウォーリーにはよく怒られたけど、ほかの選手にはそんなこと全然なかったし、中さんも寡黙な人だったから。それが近藤さんは怒ってばっかりで、黒江さんも輪をかけて厳しく言うから、選手には嫌われますよね」
当時の球界では、厳しいヘッドコーチがあえて嫌われ役を引き受けることで、選手は監督のもとで伸び伸びとプレーする。逆に監督が厳しいタイプであれば、ヘッドコーチが緩衝材となって選手との距離を縮める──。そうした役割分担が一般的だったが、"近藤−黒江体制"はかなり特殊ではなかろうか。
「両方というのはね。どっちかがフォローするとか、あればいいけれども、フォローも何もない。それで試合中でもよく怒っていて、一度、宇野がショートでミスした時にね、近藤さん、ベンチ飛び出して来たんですから」
(文中敬称略)
著者プロフィール
高橋安幸 (たかはし・やすゆき)
1965年、新潟県生まれ。 ベースボールライター。 日本大学芸術学部卒業。 出版社勤務を経てフリーランスとなり、雑誌「野球小僧」(現「野球太郎」)の創刊に参加。 主に昭和から平成にかけてのプロ野球をテーマとして精力的に取材・執筆する。 著書に『増補改訂版 伝説のプロ野球選手に会いに行く 球界黎明期編』(廣済堂文庫)、『根本陸夫伝 プロ野球のすべてを知っていた男』(集英社文庫)など
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