【プロ野球】「球速よりコントロール」 ダルビッシュ有を育てた名伯楽が語る今朝丸裕喜の伸びしろ (4ページ目)
最近では、190センチ超の投手として高橋光成(西武)、山下舜平大(オリックス)、横川凱(巨人)らが活躍している。かつては「日本人の190センチ投手は大成しない」と言われた時代もあったが、その常識を覆したのが196センチのダルビッシュ有だった。日本ハムでコーチを務めていた佐藤の指導を受け、やがてメジャーを代表する投手へと成長した。
そのダルビッシュについて、佐藤は球質が圧倒的によかったと語る。
「大事なのは回転数もあるけど、やっぱりリリースポイント。そこでしっかりスナップを使えているかどうか。スピードが出なくてもファウルを取れるボールがある。球速は出るに越したことはないけど、球質とコントロールがあれば抑えられる」
その例として挙げたのが、阪神の村上頌樹だ。
「村上みたいに150キロ出なくても勝てる投手もいる。彼もコントロールがいいし、ボールにキレがある。打者からすれば、球速表示以上に速く感じるんじゃないかな」
だからこそ、今朝丸にはこう望む。
「スピードガンの数字にこだわりすぎず、多少コースが甘くてもファウルになるような強い球を投げること。それを意識してほしいね」
次世代の阪神を担う素材であることは間違いない。若竹が天へと伸びるように、その才能を開花させるためには、キャンプで得た経験を糧にしながら、速くて強いボールを安定して投げられる投手へと成長していくことだ。
層の厚い阪神投手陣のなかで、次世代エース候補として期待される今朝丸。まずは脇目も振らずに投げ込み、制球力を磨いていく。その先に、真の飛躍が待っている。一軍のマウンドが待っている。
佐藤義則(さとう・よしのり)/1954年9月11日生まれ、北海道出身。函館有斗高から日本大へ進み、76年秋には78奪三振の東都大学リーグ新記録を樹立し、同年ドラフト1位で阪急から指名され入団。ルーキーイヤーからリーグ優勝、日本一に大きく貢献し新人王に輝く。85年は21勝で最多勝、86年には防御率2.83で最優秀防御率のタイトルを獲得した。95年8月の近鉄戦では40歳11カ月という(当時)史上最年長でのノーヒットノーランを達成。同年、オリックスブルーウェーブに改称後、初のリーグ制覇。98年、通算500試合登板を果たすも、現役を引退。引退後はオリックス、阪神、日本ハム、楽天、ソフトバンクでコーチを歴任し、ダルビッシュ有や田中将大らを育てた。2020年より関メディベースボール学院の投手コーチに就任した。
著者プロフィール
松永多佳倫 (まつなが・たかりん)
1968 年生まれ、岐阜県大垣市出身。出版社勤務を経て 2009 年 8 月より沖縄在住。著書に『沖縄を変えた男 栽弘義−高校野球に捧げた生涯』(集英社文庫)をはじめ、『確執と信念』(扶桑社)、『善と悪 江夏豊のラストメッセージ』(ダ・ヴィンチBOOKS)など著作多数。
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