【プロ野球】「球速よりコントロール」 ダルビッシュ有を育てた名伯楽が語る今朝丸裕喜の伸びしろ (3ページ目)
【名伯楽が説く勝てる投手の絶対条件】
愛弟子の成長を目の当たりにし、佐藤もわずかに表情が緩んだ。
「これだけ投手が揃うなかで、2年目のキャンプで途中まで一軍に帯同できたのは立派。本人にとっても多くを学べたはずだ。レイエスをああいう形で3球三振に取れたことも、貴重な経験になったはず」
そのうえで、プロで活躍するための条件も付け加えた。
「一軍でやるために必要なのは、まずコントロール。この世界、制球がなくて勝てるピッチャーはいない。150キロ前後のストレートにカーブ、スライダー、フォークもある。フォークを決め球にするなら、そこまでのカウントをどうつくるかがカギになる。そのためにも制球力は不可欠だ」
タイプとしては、長身から角度のある球を投げ込む本格派の才木浩人に近い。そして今朝丸の素質について、佐藤はこう続けた。
「幸い、今朝丸は中学2年の時点で体が飛び抜けて大きかったし、スピードもあった。あとは強い球をどうコントロールして、連続して投げられるかだね」
ダルビッシュや田中といったメジャーリーガーを育てた佐藤でさえ、速球を投げる能力は完全に教えられるものではないと断言する。
「成長期の子どもを指導するのは難しくないけど、クラブチームは毎日練習があるわけじゃない。中学生は土日だけだから、次に見るのは1週間後。よくなっている子もいれば、元に戻っている子もいる。だからこそ、まずは正しいフォームを身につけさせることが大事なんだ」
佐藤が言う「正しいフォーム」とは、故障しない合理的な投げ方のことだ。
「体ができていないのに、間違ったフォームで投げるから肩を痛める。正しいフォームなら、そう簡単には壊れない。今朝丸も多少の修正点はあったけど、大きな問題はなかった」
【球質と制球が生む真の速さ】
天性と言ってしまえばそれまでだが、佐藤はサイズの大きさも含め「モノが違った」と言う。投手は体が大きいほど有利だとも言われている。
「身長190センチ前後で手足の長い投手の指導は、どうしても慎重になる。バランスの問題があるからね。でも、やっぱり投手は大きいほうが有利。メジャーなんかでは190センチ以上ないと先発させないと言われるくらい、身長を重視している。バッターも大きいから、角度のあるボールのほうが速く見えるんだ」
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