【WBC 2026】侍ジャパンのピンチを断った「藤平尚真の5球」山本由伸のあとを託され二死満塁のマウンドへ (2ページ目)
【山本由伸のあとを継ぐという緊張感】
ピンチで求められるのは、三振を狙ってとる投球だ。藤平自身、そう考えて相手打者を迎えた。
3番の林安可(リン・アンコー/西武)に対して初球、選んだのはカウントを取るフォークだった。
「あの場面でいって、僕が何を狙われるかというと、相手は真っすぐを狙ってくると思うので。そういうなかでファウルを取りにいく、空振りを取るということで、ゾーンの中にフォークを投げる。そこから決め球につなげていける配球を意識して、初球フォークで入りました」
初球はフォークを真ん中低めに投じてストライク。つづけたフォークは低めに外れたが、3球目は外角高めに151キロの真っすぐを投じ、ファウルにさせて追い込んだ。4球目は外角高めに釣り球の真っすぐをはさみ、勝負の5球目。内角低めにフォークを投げ込み、バットに空を斬らせた。
「今日のミーティングでもいろいろ話をしました。しっかり高めの真っすぐと、(ストライクを取る)ゾーンのフォーク、決め球のフォークをしっかり使っていこうと言ってもらったので、そこは意識してブルペンでも投げていました」
登板前から万全の準備を整え、いざピンチのマウンドでは練習どおりに投げて、イメージどおりに三振を奪ってみせた。
マウンドでの堂々たる姿から一転、藤平らしい素直な様子を見せたのが、試合後のミックスゾーンだった。エース・山本由伸のあとを受けるのは、独特の緊張感があったと語った。
「あれだけすごい選手ですし、あそこの場面で僕が打たれた場合、由伸に点が入って防御率が上がってしまうと思ったので。何としてもゼロで抑えて、防御率0.00の状態でいってほしいなと思って投げました」
緊張感をプラスにつなげられるのは、勝負師の資質と言えるだろう。
チャイニーズ・タイペイ戦は大量リードでの登板だったが、前回大会で宇田川優希(オリックス)が担ったイニング途中の火消しは、球数制限のあるWBCではとくに不可欠な役割だ。3人しかいなくなった中継ぎ陣で、はたして誰がその役割を務めるのか。藤平が初戦で出した答えは、侍ジャパンにとって大きな収穫だった。
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