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潮崎哲也が憧れの鹿取義隆から学んだ「適当でいい」という名の強さ 「困ったら真ん中低めでいいんだよ」 (2ページ目)

  • 高橋安幸●文 text by Takahashi Yasuyuki

「チームが負けている場面で僕が投げて、打線が逆転して、最後、鹿取さんが締めるっていう試合がよくありました。勝っている試合の1イニングを投げる今とは全然違いますね」

 潮崎がプロ初勝利を挙げた同24日のオリックス戦は、6対6と同点の6回から登板。ソロ本塁打を浴びるも8回に味方打線が逆転。最後は鹿取が1点差を守った。オリックス戦といえば、7月5日の試合で3回途中から登板した潮崎は武器のシンカーを生かし、8連続奪三振を記録。1回、2回と2打席連続本塁打の門田博光もいた打線相手に、怖さはなかったのだろうか。

「あの時、オリックスは一番いい打線と言われていて、ホームランもある打者が多かったですけど、怖さはないというか、自分の力を100%出すことしか考えてなかったです。打たれる、打たれないは監督の責任だと(笑)。切羽詰まって『打たれたらどうしよう......』とか考えるんじゃなくて、『そんなん知ったこっちゃない』っていう感覚でした。無責任の真骨頂かなっていう」

【憧れの先輩からの「適当でいいんだよ」】

 試合中のブルペンでいきなり抑えを任されたため、打たれて負けた時の責任を首脳陣に預けてマウンドに上がる──。そんな「無責任」で臨んだ投手は実在したが、それは新人ではない。

「いや、新人だから余計に許されるかな、っていうような感じで。それにうしろに鹿取さんもいらっしゃるので、もう打たれた時は『ごめんなさい。よろしくお願いします』と(笑)」

 鹿取は移籍1年目を振り返り、「ブルペンに潮崎がいなかったら、僕はきつかったと思う」と語っている。一回り下の新人を頼りにしていたわけだが、潮崎自身、それ以上にうしろにいる鹿取を頼りにしていた。信頼関係が築かれていたなか、憧れの先輩から学んだこともあっただろう。

「僕と鹿取さんの真っすぐを比べた時、僕のほうがちょっと速いんですよ。空振りを取れる変化球も、シンカーがあるので僕のほうが絶対いいんです。でも、トータルしてみたら、やっぱり鹿取さんのほうがいいんですよね。『なんでかなぁ......』ってずっと思っていました」

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