【プロ野球】心が折れかけた2年からの逆襲 ヤクルト・北村恵吾が一軍仕様の集中力でつかんだ再出発 (2ページ目)
守備ではあらゆる打球を想定。打席ではいろいろな球種、変化量まで想定した。
「漠然と打席に立ったり、なんとなく守備についたりすることは、1試合、1打席たりともありませんでした。『一軍は体が疲れるのは当然だけど、精神的にも疲れるぞ』と聞いていましたが、その意味を身にしみて感じました」
【心が折れかけた2年間】
北村は2022年、中央大からドラフト5位で指名され入団した。ルーキーイヤーにはプロ初安打を満塁ホームランで飾る鮮烈なデビューを果たしたものの、その後は思うような結果を残せずにいた。
「去年はケガもあり、手ごたえを感じたことがまったなくて、マジ悔しかったですね。一軍に一度も行けなかった悔しさもあるし、実家に帰っても友だちとかにいろいろ言われました。知り合いの方たちにも、恥ずかしいというか合わせる顔がなかったですね」
迎えた3年目は「今年もダメだったら、現役ドラフトとか育成落ちもある。場合によっては戦力外もあると、相当な覚悟をもっていましたが、バッティングでも守備でもチームに迷惑をかけてしまって......」と、苦しんだ。
ドラフト同期や後輩は、次々に一軍に抜擢。二軍で楽しそうに練習し、試合をする北村を眺めていると、戸田の居心地がいいのかなと思うこともあった。
「同期や後輩が一軍で活躍する姿はもちろん刺激になりましたし、負けてられないという気持ちはありました。でも、誰かと比較したところで自分がどうこうなることはない。変に焦ってもいいようには回らないし、腐ることはなかったです。それが自分のポリシーというか、ベクトルは常に自分に向いているので。ただ、心が折れかけたことはありました」
そうした状況のなか、北村は4月を過ぎたころから、土橋勝征コーチと西浦直亨コーチによる試合後の特守に取り組み、さらにその後は室内練習場で坪井智哉コーチとの特打をこなす。そんな毎日のルーティンが続いていた。
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