【プロ野球】高橋慶彦さんが明かす古葉監督の指導! 将棋・藤井聡太さんとの共通点とは? (3ページ目)
【スイッチヒッターには誰でもなれる】
上重 でも、相当練習されましたよね? だって左打ち、初めてですよね。
高橋 そう。ただ、山本一義さんという、すごい厳しいコーチがいて、(その指導のおかげで)右は2割8分ぐらい打ったんよね、1軍でも。右は完成したからね、ある程度。それから、スイッチに変えろと古葉さんに言われた時に、いいですよと。古葉さんは親父みたいなもんやったから。でも、(左で)パって構えた瞬間、「え、え、ここどこ」っていう感じ。
上重 景色が違いましたか?
高橋 身体が動かない。振ったことないんだもん、一回も。うわ、どうしようか、と。まったく振れないから。それで、こう考えることにした。10歳から9年間バットを振ってきたので、その9年分を1年でやればいいなと思ったわけ。
上重 そこまでは9年間、右でやってたわけですよね。
高橋 そう。その9年分を、左では1年でやればいいと思った。数字に変えた方が楽になったね。
上重 言うのは簡単ですけど......。
高橋 いやでも、俺はコーチも監督もやったからわかるけど、選手達に今日、何をしたと訊いたら、携帯見てたとか、グレーゾーンがすごい多いんよ。だから、そのグレーゾーンを全部なくしたら、(練習の)時間がもらえるから。例えば、相手チームが試合の前に練習するとき、俺はずっとティー(バッティング)していた。
上重 時間は限られている。でもグレーな時間をなくして、やらなきゃいけないことだけで時間を埋めていけば、濃密な時間だけになるってことですね。
高橋 ただ、24時間でも足りない感覚だった。それでずっと振ってると、最初は右ってこうだったから、左ってこうかなと。不細工な振り方なんだけど、ある日突然、ちょっと待って右でこうやろ、じゃ左でこうか、と。スイッチが入る。
上重 だんだん感覚が合ってくる。
高橋 それで俺は一番易しい方法で打ったの。バットを短く持って、ベースにひっついて、下ろせば当たる感覚で。最初はね。
上重 よりシンプルに。
高橋 それしかできないんで。だから綺麗に打とうとかじゃなくて、ベースにひっついて、バットを短く持って振る。どこを狙うとかじゃなくて、打てばどこかに飛ぶだろうなと。
上重 とにかく当てて、飛んでくれと。
高橋 そう。スイッチ(ヒッター)には、誰でもなれるからね。
上重 誰でもなれますか?
高橋 なれる。
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