【プロ野球】高木豊がDeNAのCSファイナル、日本シリーズまでの展開を予想 三浦大輔監督の花道を飾れるか (3ページ目)
――誰がどのイニングと決めず、コンディションによって臨機応変な起用が必要でしょうか?
高木 そうですね。宮城滝太はちょっと変な故障の仕方をしたので、出られない可能性がありますよね。先発ピッチャーが早く降板してしまうと、その後のやりくりが苦しくなるんじゃないかと。そういうことも踏まえ、リリーフ陣には臨機応変な起用を示唆しておいたほうがいいと思いますし、(前編で話したように)第二先発のピッチャーも用意しておいたほうがいいですね。リリーフのピッチャーは準備が大変だと思いますが、そのくらいやっていかないと勝ち抜けません。
――話が飛躍するのですが、仮にDeNAが日本シリーズに進出した場合、どんな展開を予想しますか?
高木 昨年の日本シリーズほどうまくはいかないはずです。なぜかといえば、昨年のパ・リーグはソフトバンクがひとり旅(2位に13.5ゲーム差をつける独走)だったじゃないですか。シーズン中に劣勢になることがなかったんです。なので、劣勢になった時の対処法がわからなかったというか、短期決戦ということもあってプレッシャーをかけられた時に跳ね返せなかったんじゃないかと思います。
ただ、今年はソフトバンクと日本ハムがしのぎを削っていたように、劣勢を跳ね返す力はあります。オリックスの場合もそうだと思いますし、今年のパ・リーグのチームは相当手強いですよ。
――セ・リーグのチームは、どこが日本シリーズに出ても厳しい戦いになりそうですね。
高木 対応できるのは投手力がいい阪神だと思いますが、今年はリーグ独走で優勝しましたし、劣勢になったら昨年のソフトバンクのような状態に陥るんじゃないかと。だからDeNAが日本シリーズに行った場合は、相手は嫌だと思いますよ。DeNAには失うものがないですし、三浦大輔監督が今年で退任するということも、チームのモチベーションを上げるはず。大胆に思い切っていけるはずですし、その開き直りは相手にとってちょっと怖いでしょう。
【プロフィール】
高木豊(たかぎ・ゆたか)
1958年10月22日、山口県生まれ。1980年のドラフト3位で中央大学から横浜大洋ホエールズ(現・ 横浜DeNAベイスターズ)に入団。二塁手のスタメンを勝ち取り、加藤博一、屋鋪要とともに「スーパーカートリオ」として活躍。ベストナイン3回、盗塁王1回など、数々のタイトルを受賞した。通算打率.297、1716安打、321盗塁といった記録を残して1994年に現役を引退。2004年にはアテネ五輪に臨む日本代表の守備・走塁コーチ、DeNAのヘッドコーチを2012年から2年務めるなど指導者としても活躍。そのほか、野球解説やタレントなど幅広く活動し、2018年に開設したYouTubeチャンネルも人気を博している。
■元プロ野球選手のYouTuberのパイオニア
著者プロフィール
浜田哲男 (はまだ・てつお)
千葉県出身。専修大学を卒業後、広告業界でのマーケティングプランナー・ライター業を経て独立。『ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)』の取材をはじめ、複数のスポーツ・エンタメ系メディアで企画・編集・執筆に携わる。『Sportiva(スポルティーバ)』で「野球人生を変えた名将の言動」を連載中。『カレーの世界史』(SBビジュアル新書)など幅広いジャンルでの編集協力も多数。
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