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中畑清が篠塚和典との対談で明かした、DeNA三浦大輔監督に伝え続けていること 期待の若手は「我慢して使うべき」 (4ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo

【CSの仕組みも改善の余地あり】

――セ・リーグ全体としては、どういった戦いを期待しますか?

中畑 どこが優勝するかわからないくらいの接戦であってほしいですね。外から見ている人間にとっては、緊張感があって目が離せない。現場にいる人間にとっては「冗談じゃない。少しでも差をつけないと」というのが当たり前ですが(笑)。

篠塚 AクラスとBクラスの差がついてしまうケースが多いので、例えばBクラスにいたチームが、シーズン後半にグっと上がってくる展開も見たいですね。

中畑 あとは、リーグ優勝の価値を高めてほしいね。シーズンを勝ち抜くのは本当に大変なことで、もっと評価してあげないといけないと思う。

篠塚 シーズンを勝ち抜くのは、本当に厳しいですからね。例えば1位のチームと、クライマックスシリーズ(CS)のファイナルステージに勝ち上がってきたチームとで10ゲーム以上差があったら、アドバンテージとして2勝を与えてもいいと思います。

中畑 DeNAは昨年、貯金が2つしかなかったしね(1位の巨人は貯金18)。数字的に見ると、1位のチームのファンなどは「冗談じゃない」って思われたりもする一方で、「それも野球の面白さ」と言われることもある。いずれにせよ、ルールを変えなければいけない段階に来ているかもしれないけど......CSは盛り上がるんだよなぁ(笑)。

篠塚 興行性を重視するのであれば、そうなんですよね。日本シリーズはあくまで1位同士での戦いとし、 CSを別物の興行とする形にしてもいいと思います。

中畑 ルールを変えるのは大変な作業だけど、時代に合わせて手を加えなければいけないね。まぁでも、この話はシーズン中に言うことではないな(笑)。然るべきタイミングでまた話そう。

篠塚 そうですね。いずれ制度改革についても話しましょう。

【プロフィール】

■中畑清(なかはた・きよし)

1954年1月6日生まれ、福島県出身。駒沢大学を卒業後、1975年のドラフト3位で巨人に入団し4年目から一軍に定着した。通算打率.290の打撃、ファーストでゴールデングラブ賞を7回獲得した守備で勝利に貢献。快活な性格でも人気を集めた。1989年に現役を引退。2012年から4年間、DeNAの監督を務めた。また、2004年のアテネ五輪ではヘッドコーチを務めていたが、チームを率いていた長嶋茂雄氏が脳梗塞を患って入院したあとに監督を引き継ぎ、チームを銅メダルに導いた。

■篠塚和典(しのづか・かずのり)

1957年7月16日生まれ、東京都出身、千葉県銚子市育ち。1975年のドラフト1位で巨人に入団し、3番などさまざまな打順で活躍。1984年、87年に首位打者を獲得するなど、主力選手としてチームの6度のリーグ優勝、3度の日本一に貢献した。1994年を最後に現役を引退して以降は、巨人で1995年~2003年、2006年~2010年と一軍打撃コーチ、一軍守備・走塁コーチ、総合コーチを歴任。2009年WBCでは打撃コーチとして、日本代表の2連覇に貢献した。

著者プロフィール

  • 浜田哲男

    浜田哲男 (はまだ・てつお)

    千葉県出身。専修大学を卒業後、広告業界でのマーケティングプランナー・ライター業を経て独立。『ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)』の取材をはじめ、複数のスポーツ・エンタメ系メディアで企画・編集・執筆に携わる。『Sportiva(スポルティーバ)』で「野球人生を変えた名将の言動」を連載中。『カレーの世界史』(SBビジュアル新書)など幅広いジャンルでの編集協力も多数。

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