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今江敏晃にプロでやっていける自信を植え付けた「PL学園の竹バット」と「センター返し」 (4ページ目)

  • 水道博●文 text by Suido Hiroshi

── 今江さんの成績を見ると、四球と三振が少ないですね。

今江 僕は配球を読むというより、反応型タイプの打者でした。自分の間合いでスイングできれば、投球が曲がっても落ちても、打球が詰まってもヒットゾーンに運べるのです。だから初球から積極的に勝負をかけていました。逆にボールを見てしまうと、自分の間合いで打てなくなって、結果が出ないことが多かったですね。

── ちなみに、今江さんは打撃コーチ時代、選手にどのような指導を行なっていたのですか。

今江 チャンスの時は、外野フライでもゲッツー崩れでも打点が稼げます。勝負強い打者は狙っていない球種でも、初球からスイングをできて対応できるものです。追い込まれれば、必然的に三振が増えてしまう。そういう考え方は教えました。

【現役時代の一番の思い出は?】

── 18年間の現役生活で一番の思い出は?

今江 (二度の)日本シリーズのMVPです。2010年はシーズン3位から日本シリーズに進出し、中日を4勝2敗1分で破って"下剋上"を果たしました。このシリーズでもMVPをいただきました。ただ、2005年のMVPのほうがレギュラー獲得、第一子誕生ということもあって思い出深いですね。

── 逆にやり残したことはありますか。

今江 その時々で最大限努力していたと思うのですが、のちに振り返ると「もっとやっておけば......」と思うものですね(笑)。通算2000本安打も首位打者も達成できなかったのは、自分らしいと思います。

 ただ、個人的には、2016年にFAでロッテから楽天に移籍し、選手、指導者、球団関係者と新たな縁をいただき、自分にとって大切なものになりました。複数の球団を経験できたことは、野球人としての幅を広げられたと思っています。

── 今江さんの野球におけるモットー、座右の銘を教えてください。

今江 「頂点」です。極論ですが、最多エラーでもいいと思っています。やるからには、なんでもいいから一番になりたい。そういう気概で、常に高みを目指して追求していました。

つづく


今江敏晃(いまえ・としあき)/1983年8月26日、京都府出身。PL学園から2001年のドラフトでロッテから3巡目で指名され入団。05年にレギュラーに定着し、132試合に出場して打率.310、8本塁打、71打点。阪神との日本シリーズでは8打席連続安打を記録するなど、チームの日本一に貢献しMVPを獲得。その翌年3月に開催された第1回WBCの日本代表に選出され、世界一に貢献。10年の中日との日本シリーズでも勝負強さを発揮し、自身2度目のMVPに輝いた。15年オフにFAで楽天に移籍し、19年限りで現役引退。20年から楽天のコーチに就任し、24年は一軍監督。チームを初の交流戦優勝に導くも、10月に監督契約解除が球団より発表され退団することになった。現在は評論家として活躍中

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