篠塚和典から見た引退後の吉村禎章は「ひと回りもふた回りも大きくなった」 巨人のリーグ優勝に貢献した手腕も称賛
篠塚和典が語る「1980年代の巨人ベストナイン」(7)
吉村禎章 後編
(中編:吉村禎章の印象的な2本のホームラン 最速リーグ優勝を決めた劇的弾と、審判の勘違いが生んだ一発>>)
篠塚和典が語る「1980年代の巨人ベストナイン」で選んだ吉村禎章氏のエピソード、後編。篠塚氏にとって吉村氏はどういう存在だったのか、現在フロントして手腕を発揮している吉村氏に対する期待などを語ってもらった。
2002年のコーチングスタッフ発表に出席した(前列左から)原辰徳、篠塚和典、吉村禎章 photo by Sankei Visualこの記事に関連する写真を見る
【現在は有望な外国人選手の獲得でチームに貢献】
――吉村さんは現在、巨人の「執行役員編成本部長国際担当兼国際部長」として活躍しています。特に、昨季の外国人補強の成功はチームにとって大きかったですね。
篠塚和典(以下:篠塚) ルーグネッド・オドーアがああいう形で帰っちゃったんでどうなるかと思いましたが(※)、昨年の5月に入団したエリエ・ヘルナンデスが活躍しましたし、(同7月に入団した)ココ・モンテスもすぐに日本の野球にある程度対応できていて、悪くなかったですからね。
特にヘルナンデスは、打線全体が不振だった頃に打線を機能させてくれましたし、あのタイミングで彼がいてくれたのは本当に大きかった。試合中に左手首を骨折して離脱してしまいましたが、チームを救ってくれました。目をつけたヨシの功績も大きいと思います。
(※)2024年1月に巨人と1年契約を締結。オープン戦で打率.176と振るわず開幕二軍となるも、これを拒否して開幕前に退団。
――今はバリバリのメジャーリーガーが来る時代ではないですし、優良な外国人選手を連れてくるのが難しくなっている印象です。
篠塚 外国人選手は、本当にやってみないとわかりませんからね。それを見抜き、チームにとってプラスになる選手を連れてくるのは大変な仕事だと思います。打球の角度や球種別の対応力、性格なども含めていろいろなデータを分析しているんでしょうし、それを経て、メジャーでは実績のないヘルナンデスやモンテスの獲得を決断したのは素晴らしいです。
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