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篠塚和典から見た引退後の吉村禎章は「ひと回りもふた回りも大きくなった」 巨人のリーグ優勝に貢献した手腕も称賛 (2ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo

――シーズン途中に2名の外国人選手を獲得し、両方が活躍するケースは珍しいように思います。

篠塚 そうですよね。昨年は阿部慎之助監督の1年目でもありましたし、前年がBクラス(4位)だったので、土台を作りながらAクラスに入れればいいかな、と思って見ていました。3年後くらいに優勝を狙えるチームになれば、という感じだったんですが、まさかリーグ優勝できるとは予想していませんでしたね。それを手繰り寄せた要因として、エルナンデスとモンテスの働きは大きかったと思います。

――今後も吉村さんの働きには期待したいですね。

篠塚 今の時代はなかなか難しいかもしれませんが、メジャーでガンガンやっていた選手も獲ってきてほしいですね。最近はそういう選手がいないじゃないですか。巨人に限った話ではないですが、せっかく来たと思ったらすぐに帰ってしまう外国人選手はすごく多い。一方で、ソフトバンクはジュリスベル・グラシアル、アルフレド・デスパイネ、デニス・サファテらがハマっていた時は本当に強かったですから。

 昔は、レジー・スミスやロイ・ホワイトみたいなメジャーで実績のある選手が来ていましたね。近年の外国人選手は、即戦力で中軸を任せられる助っ人というよりも、日本人選手と横一線で育成されていたり、育成を前提で獲ってきたりと、状況が変わってきています。時代と言えば、そうなのかもしれませんが。

【吉村は今も「気になる存在」】

――ここ数年で、吉村さんと会う機会はありましたか?

篠塚 解説の仕事で球場へ行った時などに、グラウンドで顔を合わせるくらいですね。ヨシは年が6つ下なのですが、それくらい年が離れていると現役の時もそれほど話はしないものなんです。ただ、話をする時はいつも、彼の人柄のよさをすごく感じます。

――現役時代と今とで変わった部分はありますか?

篠塚 ユニフォームを脱いでからコーチを経験したり、今のようなフロント職も経験していろいろな人に会う機会も多いでしょうから、コミュニケーションの仕方も含めてひと回りもふた回りも大きくなっている印象です。冗談を言ったりもしますし、物腰が柔らかくて、若い選手でも話しかけやすい雰囲気を持っていますね。

 それと、自分もそうなのですが、やはりユニフォームを着てようが着ていまいが、「巨人」という看板を背負っているので。そのあたりは彼もしっかりとわかっているんじゃないですか。

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