43歳、川崎宗則が語る野球人生の「終活」 「電池はもう少ししたら切れるんで」 (3ページ目)
43歳となった今でも現役でプレーを続ける川﨑宗則 photo by Nakajima Daisukeこの記事に関連する写真を見る 常に自然体。そんな彼の姿勢は、グラウンドでも変わらなかった。初戦のドミニカ戦ではサードで先発すると、相手の走者や三塁ベースコーチと頻繁にコミュニケーションを取っていた。そして、決まってドミニカの選手たちは笑顔になる。
「ラテンの言葉を忘れていたので、ちょっと教わりに。サードを守っている時は、いい勉強の時間なんですよ。野球よりも大事なことはたくさんあるので。忘れていたことを教えてもらっていました」
── 野球より大事なこととは?
「お酒を楽しく飲むことです(笑)。それと奥さんを愛すること、家族を愛すること、女性を大事にすることですね」
"Muchas chicas." そのひと言にも、彼なりのメッセージが込められていたのだ。決して流暢な英語でなくても、心を込めれば伝わる。
【緊張しないなんてもったいない】
そんな川﨑の魅力に惹かれたアメリカ人のひとりが、プエルトリコ代表「インディオス・デ・マヤゲス」に所属するデビッド・マキノンだ。
2023年に西武でプレーし、ファンに愛された一塁手の彼は、2戦目で川﨑がセンター前にタイムリーを放った直後、「君のビッグファンだ」と伝えたという。
川﨑の魅力は、プレーだけではない。カリビアンシリーズでは、ベテランとして集中力を発揮し、チームを支えた。
初戦のドミニカ戦で4点を先制された直後の3回裏。先頭打者として打席に立つと、初球をサード前にセーフティーバントで転がし、見事に出塁する。
「とりあえず反撃したかったので、一番チャンスがあるセーフティーバントを選びました。これでヒットになると信じてやりました。いいところに決まりました」
1対12で大敗した初戦。若手選手の多いジャパンブリーズは、守備の細かいミスやサインミスを繰り返した。2万人収容のスタジアムには多くの観衆が集まり、普段と異なる環境にチーム全体が緊張していたのだろう。
「そうですね。若い選手が多いので、おそらく緊張していたと思います。でも、それはすごくいいこと」
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