43歳、川崎宗則が語る野球人生の「終活」 「電池はもう少ししたら切れるんで」 (2ページ目)
女性レポーターは笑顔で拍手を送り、最後にメキシコのファンへのメッセージを求めた。
「Mexico, I love you.(中略)Gracias, gracias. ありがとうございます(日本語で)。Tequila, cerveza, vamos(ビールを飲もう!)。Tequila bueno(テキーラは美味しい)。Muchas chicas. Muchos juegos(野球の試合をたくさん)。Salud!(乾杯!)」
こうした即興のリアクションで、目の前の相手やSNSを通じて見るファンを楽しませられる野球選手は、世界でも川﨑ほどの選手はいないだろう。
【野球より大事なことは?】
ムネリンの魅力を直接感じたく、翌2日、プエルトリコ戦の前にインタビューを申し込んだ。
「(カリビアンシリーズは)ラテンの選手たちにとって歴史ある大会なので、出場できることを非常に光栄に思います。僕自身、ラテンの選手を尊敬しているので、とてもうれしく、幸せな気持ちでいっぱいです」
── ラテン系の選手たちを尊敬する理由とは?
「よく世話を焼いてくれるというか。優しくて、そして情熱的。(ラティーノは)お酒が好きで、野球が好きで、そして人が大好きなところに惹かれますね」
メキシコの女性レポーターに「テキーラ」や「ビール」とスペイン語で繰り返していたのは、そんな思いが込められていたのだ。
メジャーリーグで活躍する日本人選手の多くは、インタビューの際に通訳を介し、英語で直接答えることは珍しい。
一方、カリビアンシリーズでは、川﨑の隣にも通訳がいたが、彼はできる限り自分の言葉で返そうとしていた。しかも、可能な限り現地の言葉で。それは彼にとって重要なことなのだろうか?
「別に重要じゃないですね。そんなことは気にせず。特に大事なことなんてないので。自分が好きなことをしゃべるだけです。僕は、特に重要なことなんてしゃべってませんから(笑)」
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