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篠塚和典と定岡正二が振り返る高校時代と、巨人の若手時代 原辰徳は「ほかの選手とは違った」 (2ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo

――鹿児島実と東海大相模との激戦で印象に残っていることは?
 
定岡 やっぱり原辰徳です。シノは自分より年齢がひとつ下なんですが、原はもうひとつ下なので、僕が3年生で彼が1年生。2年の差があれば打たれない感覚があったんですが、見事に3安打も打たれました(笑)。

 インコースに投げたらバットが折れる、というくらい球威に自信があったのですが、同年(1974年)の夏の大会から金属バットが導入されたんですよ。原をはじめ、東海大相模の打線がその金属バットをとにかくフルスイングをしてくるので脅威でしたね。それぞれ構えたときの雰囲気も違いましたし、そういうチームがほかにありませんでしたから。

――どんなところに原さんのすごさを感じましたか?

定岡 最初の打席でアウトコースにすごくいい球を投げたんですが、それを簡単にヒットにされました。「あのアウトコースが届くのか......1年生があそこまでフルスイングしてくるんだな」という印象が強くて。ちょっとほかの選手とは違うなと。

篠塚 ホームランは打たれませんでしたか?

定岡 打たれるわけないだろ(笑)。甲子園では、ホームランを打たれた記憶はあんまりないかな。

【どもにドラフト1位で巨人へ】

篠塚 次戦の準決勝で敗退となりましたね。

定岡 相手は山口県の防府商工だね。銚子商は決勝でその防府商に勝利して優勝したわけだけど、楽勝だった?

篠塚 楽勝でした。

定岡 かっこいい(笑)。僕らもあそこまでいったら、決勝までいって銚子商と戦いたかったな。

篠塚 でも5回までは無得点でしたし、手こずりましたよ。相手のピッチャーがサイドスローで、つまらされたりしましたし。

定岡 シノは決勝で打ったの?

篠塚 2安打しました。点が取れたのは、6回のツーアウトからでしたね(6回に一挙6得点)。そこまでは押され気味の展開だったんですが、相手のセンターが突っ込んでくれば捕れたんじゃないかっていう当たりがヒットになって、そこから打線がつながりました。

定岡 勝負って、そういうもんだよね。

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