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高木豊の「セ・リーグ助っ人通信簿」2024年シーズン 4段階で最高評価・低評価だったのは? (6ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo

◆中日【野手△/投手〇】

 3年連続の最下位となった中日。ライデル・マルティネスは相変わらずの活躍ぶりだったが、主軸として期待されたアレックス・ディカーソンや先発ローテーションの一角として期待されたウンベルト・メヒアら、不振の助っ人が多かった。

「ダヤン・ビシエド(退団)は、あれだけチャンスがもらえなかったら評価しにくいです。日本での経験値が高くても、チャンスを与えたくなるようなベストな状態に持っていけないということを考えると、個人としても△の評価かなと。使われればそこそこ結果を残したでしょうが、周囲が納得する数字まで持っていけるかは疑問です。

 オルランド・カリステは、ちゃんと起用すれば安定した数字を残してくれると思うんです。飛び飛びの起用だと、試合のリズムを作るのに時間がかかる選手だと見ています。試合に出た時は、先取点に貢献したりと貢献度は高かったですね。

 クリスチャン・ロドリゲスは、22歳という若さや今のキューバのレベルなど考えると、これから日本でうまくなっていってほしい選手です。使う側も2024年は経験を積ませることを考えての起用だったでしょうし、そういう意味で評価は△。ディカーソン<退団>は、人工芝でやると腰が痛くなるなど体が弱すぎます。一発の魅力を感じさせてくれた打席もありましたが、期待外れでしたね。

 先発ローテーションの一角として期待していたメヒアは、登板数も少ないですし安定感を欠きました。3試合投げて2回負けるようなペースでは厳しいですよ。マイケル・フェリス<退団>はリリーフで防御率5点台とこちらも厳しかった。抑えるパターンがあまりないんです。ただ力任せに投げているだけで意図を感じませんし、自分本位のピッチングになってしまいました。
 
 ライデル・マルティネス(自由契約→巨人に移籍)は個人では、当然◎です。彼まで繋げばほぼ勝ちましたから。今季は3敗を喫しましたが、チームに与える安心感ははかり知れないものがあった。彼が巨人に移籍したダメージは計り知れませんが、どんな体制になるのか見守りたいです。

【主な助っ人外国人の成績】

(野)ビシエド<退団> 15試合 打率.209 1本塁打 2打点 出塁率.261 OPS.563

(野)カリステ 114試合 打率.261 7本塁打 36打点 出塁率.287 OPS.639

(野)ロドリゲス 23試合 打率.130 0本塁打 1打点 出塁率.161 OPS.290

(野)ディカーソン<退団> 32試合 打率.205 3本塁打 5打点 出塁率.314 OPS.666

(投)メヒア 15試合 3勝8敗 防御率4.88

(投)マルティネス<自由契約→巨人に移籍> 60試合 2勝3敗7ホールド43セーブ 防御率1.09

(投)フェリス<退団> 17試合 0勝1敗 防御率5.19

(パ・リーグ編:全体的には低調も、高く評価した球団は?>>)

【プロフィール】

高木豊(たかぎ・ゆたか)

1958年10月22日、山口県生まれ。1980年のドラフト3位で中央大学から横浜大洋ホエールズ(現・ 横浜DeNAベイスターズ)に入団。二塁手のスタメンを勝ち取り、加藤博一、屋鋪要とともに「スーパーカートリオ」として活躍。ベストナイン3回、盗塁王1回など、数々のタイトルを受賞した。通算打率.297、1716安打、321盗塁といった記録を残して1994年に現役を引退。2004年にはアテネ五輪に臨む日本代表の守備・走塁コーチ、DeNAのヘッドコーチを2012年から2年務めるなど指導者としても活躍。そのほか、野球解説やタレントなど幅広く活動し、2018年に開設したYouTubeチャンネルも人気を博している。

■元プロ野球選手のYouTuberのパイオニア

高木豊のYouTubeチャンネルはこちら>>

著者プロフィール

  • 浜田哲男

    浜田哲男 (はまだ・てつお)

    千葉県出身。専修大学を卒業後、広告業界でのマーケティングプランナー・ライター業を経て独立。『ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)』の取材をはじめ、複数のスポーツ・エンタメ系メディアで企画・編集・執筆に携わる。『Sportiva(スポルティーバ)』で「野球人生を変えた名将の言動」を連載中。『カレーの世界史』(SBビジュアル新書)など幅広いジャンルでの編集協力も多数。

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