高木豊の「セ・リーグ助っ人通信簿」2024年シーズン 4段階で最高評価・低評価だったのは? (3ページ目)
◆DeNA【野手◎/投手〇】
リーグ3位からの下剋上で日本一となったDeNA。タイラー・オースティンが首位打者に輝き、投手のアンドレ・ジャクソンやアンソニー・ケイらはポストシーズンで日本一を手繰り寄せる活躍を見せた。
「オースティンは途中でケガなどもありましたが、安定した働きぶりでした。状態がよかったので4番を任せられましたし、牧秀悟の打順を自由に動かせるようになった。今季が契約の最終年だったので活躍の予感はありましたが、やはり実力があるということですね。
マイク・フォード(退団→ミネソタ・ツインズとマイナー契約)は、素質は◎でしたがチャンスが少なかったですね。ただ、オースティンが本気になったのはフォードの存在が大きかったと思うんです。フォードはファーストしか守れませんし、外野は梶原昂希が台頭するなど層が厚くなってきたので、オースティンを外野に回せなくなる。だから、気を抜いたらフォードに代えられてしまう危機感があったはずです。ミート力やパワーもあるし、オースティンがいなかったらファーストはフォードでよかったと思うくらいです。
ジャクソンは、シーズン開幕戦はよかったですが、以降は制球に難が出てきて自滅するケースが見られました。それでも日本シリーズに向けて帳尻を合わせたかなと。同じく日本シリーズで活躍したケイは、イライラ感がナインの平常心を損なうというか闘争本能を削るというか......みんなにイライラ感が蔓延してしまうんです。ポストシーズンの少し前くらいから我慢できるようになりましたけど、もう少し大人になってほしい。投げているボールはいいので、精神面が安定すればふた桁は勝てるピッチャーですよ。
ローワン・ウィックは、伊勢大夢らの状態が上がらない時期によく支えてくれました。J.B.ウェンデルケン(退団)も悪くはなかったですが、ウィックが重視されていたからか登板数が2023年の約半分でしたね。
【主な助っ人外国人の成績】
(野)オースティン 106試合 打率.316 25本塁打 69打点 出塁率.382 OPS.983
(野)フォード<退団→ミネソタ・ツインズとマイナー契約> 6試合 打率.200 1本塁打 2打点 出塁率.273 OPS.623
(投)ジャクソン 25試合 8勝7敗 防御率2.90
(投)ケイ 24試合 6勝9敗 防御率3.42
(投)ウィック 43試合 5勝1敗11ホールド1セーブ 防御率2.60
(投)ウェンデルケン<退団> 28試合 1勝1敗16ホールド 防御率1.71
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