【定岡正二×篠塚和典スペシャル対談 後編】阿部慎之助監督の1年目の評価は? 明暗分かれた外野の若手たちも語った (2ページ目)
――阿部監督の選手起用や采配はどう見ていましたか?
定岡 坂本の代打起用もそうですが、ベテランと若手の使い方がうまいです。若手の浅野翔吾を積極的に先発で使い続けたり、いい場面でオコエ瑠偉を代打で起用したり。そういった選手がシーズン後半に頑張って、チームがジワジワ盛り上がっていったじゃないですか。
篠塚 そういう選手に対しては、「レギュラーというわけではないけど、ここでやってくれればいい」という感覚があるんでしょうね。
定岡 あと、阿部監督のなかには「悔しさ」もあったと思うんです。チームが前年Bクラスだったり、阪神に大きく負け越してしまったり......。勝てない悔しさを持っているからこそ、リーグ優勝までたどり着いた。昨季までは1点差で負けていたような試合を、2024年は引き分けに持ち込むことも多かったですよね。それは、悔しさが原動力になっていたと思います。
【2025年に活躍が期待の若手は?】
――2025年に向けて注目している選手は?
篠塚 浅野です。高卒3年目になりますしね。彼が打つと、ベンチが盛り上がるんですよ。「オレがオレが」というタイプではなく、謙虚さを持ちながらプレーしているので、そういうのを先輩たちが見ていて、すごくかわいがられている感じがします。ああいう選手は伸びていってほしいですね。
定岡 浅野って、スタンドから見ていても目立つよね。上背があるわけではないのに、彼の動きを見ていると「浅野だ!」っていう感じで目に入る。打てば球場が一段と盛り上がりますし、プロとしてエンターテインメントの観点から見ても、そういう"華"のようなものは大事ですから。彼が持って生まれたものかもしれません。
篠塚 コメントなどを聞いていてもしっかりしていますよね。一方で、心配なのは秋広優人です。
定岡 彼は(松井秀喜も背負った)背番号55をもらったじゃないですか。その影響もあるのか、ホームランバッターなのか中距離バッターなのか、そのあたりで迷っているんじゃないかと思うんです。シノはどう思う?
篠塚 本人の考えなのか、監督やコーチの考えもあると思うんですが、いずれにせよ迷っているんでしょうね。打ち方としては、インサイドは当たるんです。ただ、まったく外が当たらないじゃないですか。あれだけリーチがあれば、バットを出せばと自然と届くはずなんです。そういう課題を解消するためにバッティングを少し変えていかなければいけないし、ハングリー精神も必要かなと。
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