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高木豊が語る現役ドラフト、パ・リーグ編「チャンスをもらえれば覚醒する可能性が高い」選手は? (3ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo

――最下位に低迷した西武は、ロッテから2015年のドラ1・平沢大河選手を獲得しました。

高木 外崎修汰がサードか外野にコンバートされることが示唆されていて、そうなるとセカンドに誰かを入れなければいけません。そうなると、ロッテで内外野を守っていた経験がある平沢にも挑戦させるのかなと。内野の感性が残っているのかどうかがポイントになりますが。

 一方で外野を守りたいのであれば、相当打たなければいけない。ただ、一軍での通算打率が1割台というのは厳しい。1割台の外野手は魅力がないですよ。外野であれば仮に平沢が打率.250打っても、2割で20~25本くらい打てる外国人選手を使うでしょう。セカンドであれば外国人選手とポジションを争うことはあまりないはずです。特別な足や肩があるわけでもないですし、セカンドで勝負するべきだと思います。

――12球団の指名選手についてお聞きしてきましたが、過去の現役ドラフトで移籍した細川成也、大竹耕太郎、水谷瞬のような活躍が期待できる選手は?

高木 ソフトバンクから日本ハムに移籍した吉田賢吾、楽天から中日に移籍した伊藤茉央です。広島からヤクルトに移籍した矢崎拓也や、西武からオリックスへ移籍した本田圭佑などは、ある程度の経験と実績があるのでどういう働きをするかは想像できるじゃないですか。そうではなく、これまでに出場機会がなくてほとんど実績がない選手が環境を変えることでどう化けるか。そこに夢がありますし、そういった選手が活躍することで現役ドラフトの意義が高まります。今回指名された選手たちが、来季以降にどんな活躍を見せてくれるか注目しています。

【プロフィール】
高木豊(たかぎ・ゆたか)

1958年10月22日、山口県生まれ。1980年のドラフト3位で中央大学から横浜大洋ホエールズ(現・ 横浜DeNAベイスターズ)に入団。二塁手のスタメンを勝ち取り、加藤博一、屋鋪要とともに「スーパーカートリオ」として活躍。ベストナイン3回、盗塁王1回など、数々のタイトルを受賞した。通算打率.297、1716安打、321盗塁といった記録を残して1994年に現役を引退。2004年にはアテネ五輪に臨む日本代表の守備・走塁コーチ、DeNAのヘッドコーチを2012年から2年務めるなど指導者としても活躍。そのほか、野球解説やタレントなど幅広く活動し、2018年に開設したYouTubeチャンネルも人気を博している。

■元プロ野球選手のYouTuberのパイオニア

高木豊のYouTubeチャンネルはこちら>>

著者プロフィール

  • 浜田哲男

    浜田哲男 (はまだ・てつお)

    千葉県出身。専修大学を卒業後、広告業界でのマーケティングプランナー・ライター業を経て独立。『ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)』の取材をはじめ、複数のスポーツ・エンタメ系メディアで企画・編集・執筆に携わる。『Sportiva(スポルティーバ)』で「野球人生を変えた名将の言動」を連載中。『カレーの世界史』(SBビジュアル新書)など幅広いジャンルでの編集協力も多数。

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