高木豊が語る現役ドラフト、パ・リーグ編「チャンスをもらえれば覚醒する可能性が高い」選手は? (2ページ目)
――ロッテは中日の石垣雅海選手(26歳)を獲得しました。長打力を秘めた内野のユーティリティープレーヤーですが、ロッテにフィットしそうですか?
高木 ロッテの内野の若手では、小川龍成が粘りのバッティングや足を生かしたセーフティーバントなど自分のスタイルをつかみつつありますし、友杉篤輝も苦しみながら経験を積んで少しずつ成長しています。ネフタリ・ソトも残留しましたし、中村奨吾、藤岡裕大、安田尚憲、上田希由翔らがいて、なかなか入れないですよね。
守備が評価されれば、セカンドの藤岡の守備固めなどの可能性はあるかもしれませんが、よっぽど頑張らないとチャンスはもらえません。何年も低迷している中日で試合に出られなかったわけで、近年はAクラスの常連になっているロッテで試合に出るのは、より厳しくなりますよ。ただ、チャンスはどういう形で巡ってくるかわかりませんし、少ないチャンスをものにしてほしいと思います。
【西武に移籍のドラ1・平沢の使い道は?】
――楽天はヤクルトの柴田大地投手(27歳)を獲得。力のある真っすぐとスプリットが武器で、一軍は1試合の登板にとどまりましたが、ファームではチーム最多の40試合に登板して2勝1敗、防御率2.17でした。
高木 パワーピッチャーでボールに力はありますよね。ただ、コントロールが課題なのと、楽天はリリーフ陣のレベルが高くなってきているので入り込めるかどうか。藤平尚真と鈴木翔天は50試合近く投げて防御率1点台、渡辺翔太もいいですし、セーブ王の則本昂大がいて、酒居知史はFA権を行使せずに残留しました。ここに入り込むのは相当な頑張りが必要です。
――昨季は5位に低迷し、岸田護新監督で巻き返しをはかるオリックスは、西武の本田圭佑投手(31歳)を獲得しました。
高木 今季はチーム状態が悪かったことも影響してか、防御率が4点台と悪化しましたが(昨季は主に中継ぎで25試合に登板し、防御率1.56)、先発と中継ぎ両方の経験値がありますからね。今季、中継ぎ陣を支えた古田島成龍が先発に転向するようですし、中継ぎでバンバン使われるんじゃないですか。
先発はアンダーソン・エスピノーザが残留しましたし、宮城大弥、田嶋大樹、曽谷龍平、山下舜平大、東晃平らがいて、広島からFAで九里亜蓮も獲得しました。頭数が揃っているので先発はないと思いますが、いざとなれば先発もできるのは心強いです。使い勝手のいいピッチャーだと思うので、首脳陣は助かるでしょうね。
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