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【日本シリーズ2024】なぜDeNAは圧巻の「下剋上」を達成できたのか 前田幸長「第3戦で潮目が変わった」

  • スポルティーバ●文 text by Sportiva

 敵地で3連勝を飾り、日本シリーズ制覇に王手をかけていたDeNAが11対2でソフトバンクの下し、26年ぶりの日本一を達成した。

 試合は2回に筒香嘉智のホームランなどで3点を先制し、3回にもソフトバンク先発の有原航平の押し出し四球で1点を追加。ソフトバンクも4回に柳田悠岐の2ランで2点差に詰め寄るも、5回に決定的な7点を奪われ万事休す。

 シーズン3位からセ・リーグのチームとして初の「下剋上」を達成したDeNAだが、その最大の要因は何だったのか? ロッテ、中日、巨人で活躍した前田幸長氏に解説してもらった。

26年ぶりの日本一を達成し、胴上げされるDeNA三浦大輔監督 photo by Kyodo News26年ぶりの日本一を達成し、胴上げされるDeNA三浦大輔監督 photo by Kyodo Newsこの記事に関連する写真を見る

【勢いを生んだ初回の桑原将志の安打】

── 日本シリーズ第6戦はDeNAが11対2で圧勝し、26年ぶりの日本一を達成しました。

前田 敵地で3連勝した勢いそのままに、一気に押し切った試合になりました。正直、この展開になるとは予想していませんでした。

── 筒香選手のホームランで先制しましたが、あの一発で一気に勢いがついた感じでしょうか。

前田 あのホームランも大きかったのですが、初回に桑原将志選手がヒットで出塁し、つづく梶原昂希選手の打球を有原投手が送球ミスをして無死一、二塁となってしまいました。結局、この回は無得点だったのですが、DeNAは「今日もいける」となったと思いますし、ソフトバンクとしてみれば受け身に回ってしまった。DeNAが福岡で3連勝してホームに戻ってきたわけですが、移動日と雨天中止があって2日間空いてしまった。DeNAにとっては、もしかしたら流れが変わるかもしれないという不安はあったと思うのですが、初回の攻撃でその不安はなくなったと思いますね。

── ソフトバンク先発の有原選手の調子はいかがでしたか。

前田 制球力のいいピッチャーなのですが、この試合はよくなかったです。シリーズ1戦目に投げた時はボールを動かしながらもストライクゾーンで勝負できていたのですが、6戦目はボール球を振らせたいという意識が強すぎた印象を受けました。なかでもチェンジアップ、フォークの割合が多く、おそらくその情報はDeNAベンチも把握していて、選手たちにも共有されていたと思います。筒香選手の先制ホームランも打った球はチェンジアップだったのですが、意識があった分、うまく反応できたと思います。

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