ヤクルト奥川恭伸が目指す最強の投球術 「奥行きのあるピッチングってなんだ?」 (2ページ目)
98球を投げたことについては、「三振が5個だったので、もう2つくらいほしかったですね」と言って続けた。
「(キャッチャーの)古賀(優大)さんと組んだのは久しぶりでしたが、配球は勉強になりました。特に4番(西川僚祐)と対戦した4回は、一番面白かったです。スライダー2球で追い込んでから、真っすぐを3球続けましたが、完全に裏をかかれたようなスイングをしていました。2球続けたところで、次はスライダーかなと思っていたので、ああいう配球もあるんだなと。今日は真っすぐでの三振が4つでしたけど、僕は真っすぐで三振を取ることはあまりないので、古賀さんの配球は面白かったですし、投げていて楽しかったです」
フェニックスでの今後については、「曲がり球をふつうに投げられたので、引き続き真っすぐの質とフォークですね」と話した。
「あとは追い込んでからのボールですね。1球で仕留め切れたら、三振は2個か3個は多かったと思いますし、球数も抑えられたのでそこはもったいなかったと思っています。あとは離脱しないことです(笑)」
【投げるたびに手応え】
今年のフェニックスリーグは雨に泣かされ、7試合が中止になったが、奥川は平穏に日々を消化。ファンサービスも丁寧にこなし、熊本から来た高齢の女性は感激のあまり涙ぐむシーンもあった。「1年中真っ黒で、白くなるヒマがないです」と、たくましく日焼けした顔が順調さを物語っていた。
フェニックス2度目の登板は10月20日のソフトバンク戦で、4回を2安打、1失点、1奪三振、無四球という内容だった。
「ボール一つひとつを見たらよかったですね。フォークの空振りも多かったですし、テイクバックの時の脱力感というのが、ちょっと出てきたかなという感じでした。そういう意味で、徐々にステップアップというか、前回の登板よりはるかによかったですね」
試合ではリチャードにカウント2ボール1ストライクから、147キロの真っすぐをバックスクリーンに運ばれた。
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