【日本シリーズ2024】ソフトバンク育成ドラフト10位入団の「マエジュン」が大舞台で躍動 指揮官も「使い道は決まった」と太鼓判 (4ページ目)
吉川氏は2004年から2013年までの10年間現役で活躍したのだが、奇しくも在籍したのがDeNAとソフトバンクの2球団だったというのだから不思議な巡り合わせである。
小久保監督も試合後、前田純の好投を大いに称えた。
「短期決戦の敗因を振り返る意味がないんで、別に。でも、いいとこはいっぱいありましたね。マエジュン(前田純)、日本シリーズ初登板、育成選手からはい上がって日本シリーズでね、あれだけ投げきった」
また、前田純以外にもルーキーの岩井を迷いなくマウンドに注ぎ込んだところに、小久保監督のマネジメント力が現れていた。
筆者が囲み取材のなかで、このように水を向けた。
── 監督が「あとふたつ勝つ」とおっしゃるのは、逆に言えば3つは負けられるという考えですか?
「そう、そうです。何回も言ってるじゃないですか。だから、明日以降につながるところを見極めないといけないんで。そういう点では前田の使い道も、言えませんけど決まったし、尾形(崇斗)、(ダーウィンゾン・)ヘルナンデス、(ロベルト・)オスナはね、今日は出してないんで、勝てるゲームに注ぎ込むっていうところでしたね」
7試合の中で4つ勝つために何をすべきか。小久保監督の思い描いている道からはまだ外れていないようだ。
著者プロフィール
田尻耕太郎 (たじり・こうたろう)
1978年生まれ、熊本市出身。 法政大学で「スポーツ法政新聞」に所属。 卒業後に『月刊ホークス』の編集記者となり、2004年8月に独立。 九州・福岡を拠点に、ホークスを中心に取材活動を続け、雑誌媒体などに執筆している。
フォトギャラリーを見る
4 / 4