ソフトバンクがケガ人続出でCSはピンチ? 柳田悠岐や近藤健介など、OB攝津正がチームの状態を分析 (3ページ目)
【ベテランの和田はリリーフ起用か】
――リリーフ陣についてもお聞きしますが、9月中旬に復帰したロベルト・オスナ投手の状態はどう見ていますか?
攝津 復帰直後の状態は全然よくなかったです。ただ、直近の試合ではけっこう力を入れて投げられていますし、真っすぐもいい。球速も150km台中盤をマークしていたので、まずまずだと思います。今後どこまで状態を上げていけるかですね。
――松本裕樹投手や藤井皓哉投手ら、勝ちパターンで起用されていた中継ぎが離脱するなか、ベテランの和田毅投手をリリーフで登板させる可能性も示唆されています。
攝津 そうでね。和田は、「今が今季で一番いい状態」と聞いています。ショートリリーフなのか、第2先発のような形なのかはわかりませんが、リリーフでの登板は考えているはずです。
リリーフ陣のなかだと、津森宥紀の状態もあまりよくない。今季は尾形崇斗や岩井俊介など若手ピッチャーの起用も多いので、CSでも状態がよければ若いピッチャーもどんどん投げさせるかもしれません。ただ、シーズンとは違うプレッシャーがかかってくるので、普段どおりに投げられるかどうかがポイントです。
――先発ローテーションの一角として8勝を挙げている大関友久投手は、9月18日の日本ハム戦で緊急降板。左大円筋損傷と診断されて離脱しました。
攝津 ファイナルステージまで時間があるとはいえ、戻って来られるのか......。不安材料ではありますね。また、(9月28日の)日本ハム戦では周東佑京が(左ひざの違和感で)途中で交代していましたし......。とにかくピッチャー陣もバッター陣も、CSまで主力がコンディションを上げられるかどうかがカギになりそうです。
(後編:CSファイナルにきたら困るチームは? 攝津正が対戦成績など相性から予想した>>)
【プロフィール】
攝津正(せっつ・ただし)
1982年6月1日、秋田県秋田市出身。秋田経法大付高(現ノースアジア大明桜高)3年時に春のセンバツに出場。卒業後に入社したJR東日本東北では、7度(補強選手含む)の都市対抗野球大会に出場した。2008年にソフトバンクからドラフト5位指名を受け入団。抜群の制球力を武器に先発・中継ぎとして活躍し、沢村賞をはじめ、多数のタイトルを受賞した。2018年に現役引退後、解説者や子どもたちへ野球教室をするなどして活動。通算282試合に登板し、79勝49敗1セーブ73ホールド、防御率2.98。
著者プロフィール
浜田哲男 (はまだ・てつお)
千葉県出身。専修大学を卒業後、広告業界でのマーケティングプランナー・ライター業を経て独立。『ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)』の取材をはじめ、複数のスポーツ・エンタメ系メディアで企画・編集・執筆に携わる。『Sportiva(スポルティーバ)』で「野球人生を変えた名将の言動」を連載中。『カレーの世界史』(SBビジュアル新書)など幅広いジャンルでの編集協力も多数。
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