セ・リーグ新人王争いの行方 高木豊は上位チームを支えるリリーフふたりを有力視 (3ページ目)
――シーズン途中まではよかった選手で言うと、巨人の西舘勇陽投手(27試合登板、1勝3敗19ホールド1セーブ、防御率4.23)も、当初はセットアッパーでいい活躍を見せていました。
高木 西舘には期待しましたけどね。当初は、打つほうでは度会、投げるほうでは西舘が新人王争いを引っ張っていくのかな、という印象がありました。ただ、やはり西舘は投球フォームの修正が必要かなと。体の開きが早いのでボールの出どころが見やすいですし、タイミングを取りやすい。だから彼は、どんな状況でもクイックモーションで投げているのかなと思ったぐらいです。
150km以上のボールでも簡単に見極められてしまうし、弾き返されてしまう。相手のバッターが見慣れないうちはそれでも抑えることができていたのですが、慣れてくるとそうはいきません。
――新人王の有力候補は結局、最初に挙げた船迫投手か黒原投手になるでしょうか?
高木 野手に目ぼしい選手がいませんし、そうなりますね。両投手ともに50試合近く投げて防御率1、2点台とよくやっていると思います。巨人と広島がいい位置にいるのは、船迫や黒原のようなピッチャーの存在が大きいと思います。
(パリーグ編:高木豊が挙げる有力投手3人と、今後に期待の野手>>)
【プロフィール】
高木豊(たかぎ・ゆたか)
1958年10月22日、山口県生まれ。1980年のドラフト3位で中央大学から横浜大洋ホエールズ(現・ 横浜DeNAベイスターズ)に入団。二塁手のスタメンを勝ち取り、加藤博一、屋鋪要とともに「スーパーカートリオ」として活躍。ベストナイン3回、盗塁王1回など、数々のタイトルを受賞した。通算打率.297、1716安打、321盗塁といった記録を残して1994年に現役を引退。2004年にはアテネ五輪に臨む日本代表の守備・走塁コーチ、DeNAのヘッドコーチを2012年から2年務めるなど指導者としても活躍。そのほか、野球解説やタレントなど幅広く活動し、2018年に開設したYouTubeチャンネルも人気を博している。
■元プロ野球選手のYouTuberのパイオニア
著者プロフィール
浜田哲男 (はまだ・てつお)
千葉県出身。専修大学を卒業後、広告業界でのマーケティングプランナー・ライター業を経て独立。『ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)』の取材をはじめ、複数のスポーツ・エンタメ系メディアで企画・編集・執筆に携わる。『Sportiva(スポルティーバ)』で「野球人生を変えた名将の言動」を連載中。『カレーの世界史』(SBビジュアル新書)など幅広いジャンルでの編集協力も多数。
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