セ・リーグ新人王争いの行方 高木豊は上位チームを支えるリリーフふたりを有力視 (2ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo

【野手に候補はいる?】

――野手で新人王の候補に挙がりそうな選手はいますか?

高木 野手で新人王を獲る選手は、ある程度レギュラーとして試合に出て活躍し、翌シーズン以降にさらなる飛躍が期待できる選手たちなんです。だけど、今季に関しては、そういう選手はいませんね。

――それでは、新人王有資格者のなかで少しでも印象に残った選手を挙げるとすれば?

高木 中日の田中幹也(107試合出場、301打数66安打、打率.219、2本塁打、22打点、4盗塁)は、時折インパクトのある活躍を見せました。守備範囲が広いですし、アクロバティックなので目を引きますね。ただ、いかんせん打率が低いのと、体力的な問題もあってか、試合にずっと出られないじゃないですか。使えば何かやってくれそうな期待感がある選手ですが、安定感がありません。

 あと、DeNAの度会隆輝(72試合出場、248打数64安打、打率.258、3本塁打、24打点、2盗塁)は、開幕当初のインパクトはすばらしかったですが、やはりルーキーが1年間働くことは簡単ではないとあらためて感じましたね。

――度会選手にとって、何が壁になったと思いますか?

高木 守備から野球のリズムを崩しましたね。周囲に対しては明るく振る舞っていますが、ものすごく責任を背負う選手なんでしょう。だからひとつのミスを必要以上に気にしてしまい、尾を引いてしまうんじゃないかと。

 バッティングに関してはミート力が高いですし、非凡なものを感じさせてくれるのですが、打球の処理や「どこに投げればいいのか」など、守備に関しては外野手として基本的なことができていません。たとえばホームに投げないといけない状況なのに、セカンドに投げてしまったり......。やはり守備がしっかりしなければ、レギュラーにはなれません。

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