【大混戦セ・リーグ】ペナントの命運を握るのは5番打者⁉︎ 小笠原道大が上位4球団を徹底解説 (4ページ目)
── 先ほど、小笠原さんもおっしゃっていましたが、今年の阪神打線は昨年ほどの怖さがありません。
小笠原 阪神のクリーンアップということで、期待値も大きいでしょうし、昨年日本一になったことで他球団から研究もされているでしょうし、そのなかで結果を出すことは並大抵のことではありません。あえて厳しい言い方をさせてもらうと、大山も佐藤もまだ絶対的ではないということです。言い換えれば、まだまだ伸びしろがある。
── シーズン最終盤にかけて、彼らに望むことはなんでしょうか。
小笠原 ここからの戦いは、四球を選ぶとか打点を上げるとか、個人というよりもチームの勝利にために何をすべきかを考えなければいけません。まだまだ未熟な部分はありますが、いずれにしても今季の経験というのは、この先必ず生きてくるはずです。
── また、ここにきてDeNAも上位争いに加わりました。
小笠原 DeNAは宮﨑敏郎という実績十分な5番がいますからね。相手バッテリーからすれば、タイラー・オースティン、牧秀吾、そして宮﨑が並ぶ打線は脅威です。得点力ならDeNAがトップですが、それを投手陣で守りきれるかどうかです。投手陣が踏ん張れば、逆転する可能性は十分にあると思います。
小笠原道大(おがさはら・みちひろ)/1973年10月25日、千葉県生まれ。暁星国際高からNTT関東を経て、1996年のドラフトで日本ハムから3位で指名され入団。99年に「バントをしない2番打者」としてレギュラーに定着。2002、03年には2年連続して首位打者に輝いた。06年には本塁打王、打点王の二冠に輝き、MVPを獲得。チームも日本一を達成した。同年オフにFAで巨人に移籍。巨人1年目の07年に打率.313、31本塁打、88打点の活躍で優勝に貢献。史上初めてリーグをまたいでの2年連続MVPに輝いた。13年オフに中日に移籍し、おもに代打として活躍。15年に現役を引退した。引退後は中日二軍監督、日本ハムのヘッド兼打撃コーチ、巨人二軍コーチ、三軍コーチを歴任。23年オフに巨人を退任し、現在は解説者として活躍中
フォトギャラリーを見る
4 / 4